一般社会では格差が広がっているということがしばしば問題とされますが、風俗嬢の間でも格差が広がっています。
稼げる風俗嬢は月収100万円以上を稼ぎ、稼げない風俗嬢は月収10万円以下ということも珍しくありません。
では、稼げる風俗嬢はどのような姿勢で仕事をしているのでしょうか。
それを知ることは、これから風俗嬢になりたいと考えている女性にも、現役風俗嬢にとってもためになると思います。
出張風俗エステで働くS
本稿で紹介する風俗嬢Sは、出張風俗エステで働く女性セラピストです。
出張風俗エステとは、女性セラピストが男性客の待つ自宅やホテルに出張し、お客さんの睾丸や鼠径部を中心にマッサージし、最後は手コキで射精させるという風俗です。
追加料金を支払えば、風俗嬢はトップレスや全裸になりますが、基本的には風俗嬢へのタッチはNGとされています。
そのため、風俗エステの求人広告ではよく「舐めない・脱がない・触らせない」という謳い文句が使われています。
そのため、風俗嬢になろうと思う女性にとっては働くためのハードルが低く、一般的な風俗店と比較してレベルの高い女性が多いという特徴があります。
風俗嬢Sが働くお店は、70分13000円、90分17000円、120分24000円で指名料が2000円、オプションでトップレスを希望すれば3000円の追加という料金体系であり、一般的なデリヘルと大差ありません。
週に3日の勤務をこなし、出勤日はすべて予約で埋まってしまうほどの人気ぶりです。
月間の指名本数は70本を超え、これは全て本指名です。
本指名とは、一度指名した風俗嬢を再度指名することであり、つまりリピーターによる指名ということです。
月間70本の指名ということから彼女の人気ぶりがよく分かり、彼女はそのお店で5年間ナンバーワンとして活躍しています。
初めはキャバクラへ
彼女は元々、男性不信に陥っていました。
彼女の父親が暴力的であったため、すぐにキレて怒鳴る、暴力をふるうなどといったことをいつも間近で見ていたためです。
高校は女子校で男子生徒との接点はなく、男性教師も理不尽に怒る人であったため、彼女の男性不信はいよいよ強いものとなりました。
彼女の近くには魅力的と思える男性が一人もいなかったのです。
子どものころから内向的な彼女は、本ばかり読んでいるような女の子でした。
学歴は大学中退で、風俗嬢は20歳から始めて今年7年目になります。
普通の仕事はほとんどしたことがなく、それ以外では少しだけキャバクラをしたことがあります。
キャバクラの世界に踏み込んだきっかけは、20歳になろうとしたときに男性不信をどうにかしたいと考えてキャバ嬢をやってみました。
キャバクラはそこそこ稼げる仕事でしたが、彼女には合いませんでした。
キャバクラは風俗とは違い、接客は必ずしも1対1とは限らず、一人のお客さんに複数のキャバ嬢が就くこともあれば、複数のお客さんに一人のキャバ嬢が就くこともあります。
また、お客さんには口説こうと考える人や女性への征服欲が旺盛な人が多いため、そのようなお客さんも苦手であったため、キャバ嬢は精神的に疲れる仕事でした。
キャバ嬢は数ヶ月で辞めてしまいました。
出張風俗エステで働く彼女の努力
キャバ嬢を辞めた彼女は、出張風俗エステで働くようになり、男性不信が治りました。
出張風俗エステを利用するお客さんには自分を飾らない人が多く、男ならば女よりも上でなければといった無理をすることもありません。
自然体で自分をさらけ出すお客さんが多かったため、「こういう男性もいるんだ」と思ったことで世界が開け、彼女を長年苦しめた男性不信は解消されました。
今では、父親や高校時代の教師のような男性に対しても、余裕を持って接することができるようになったほどです。
彼女は一時期他の職業と兼業していましたが、そのころの月収は70~80万円ほどでした。
しかし、専業にしてからは130~150万円くらい稼げるようになっています。
本指名のお客さんが多いからこそ、このような月収を稼げるようになりました。
もっとも、このようにたくさん稼ぐためには、かなりの努力をしなければならないことは言うまでもありません。
彼女流の努力とはどのようなものかを見ていきましょう。
新聞を読む
彼女の努力としてまず挙げられるのは、毎日新聞を読むということです。
お客さんとの話に対応するため、政治・経済・事件・法律・金融・ビジネスなどの情報を取り入れるために、毎日全ての全国紙に目を通しています。
新聞を読む人ならばわかるでしょうが、すべてに目を通そうと思えばざっと読んでも30分、ある程度詳しく読めば1時間くらいはかかりますから、これだけでも彼女の努力が窺えます。
キャバ嬢ならばトークが接客の大部分を占めるため、このような努力をしているキャバ嬢はしばしば見かけますが、稼いでいる風俗嬢にも新聞を読んでいる風俗嬢はいるのです。
新聞の効用は、あらゆるお客さんに対応できるようになることです。
お客さんというのは、それぞれ異なる立場や思想を持っているものです。
新聞を読むことによってそれを把握し、話も合わせやすくなります。
例えば、お客さんの自宅に出張した時は、さりげなく置いてある新聞の種類を確認します。
もし朝日新聞が置いてあれば、そのお客さんはリベラル・左寄りであることが分かるため、靖国問題などで話を合わせることができます。
もし産経新聞が置いてあれば、そのお客さんは保守的だと予想がつくため、その場合は靖国参拝を支持するといった具合です。
お客さんによって意見をコロコロ変えることができるのも、色々な新聞を読んで時事問題や思想一般を広く知っているからです。
このような風俗嬢を見たとき、「男性客は政治の話などをしたいのではなくヌキたいだけだから、そんな知識は必要ない」と考える人もいるでしょうし、実際にヌキたいだけの男性も多いことと思います。
しかし、男性は本来政治や経済を語る人が多いものです。
それに対して、政治や経済などについて語れる風俗嬢はほとんどいません。
そのため、そのようなことを語れる風俗嬢というギャップがお客さんを惹きつける要素になり、そのようなギャップを好むお客さんと長く付き合える可能性が高まります。
色々な話題を持つ
新聞をよく読むことからも分かるように、彼女は話のネタをたくさん持つことを常に心がけています。
例えば、新聞にたまに登場する数学クイズなどがありますが、あのようなクイズは理系のお客さんには非常にウケが良いと言います。
お気に入りの風俗嬢に良い所を見せようとして意欲的にクイズを解こうとしたり、お気に入りの風俗嬢と一緒にクイズを解くこと自体を嬉しいと感じる男性も多いのです。
しかし、これはお客さんが解けるクイズであることが前提となります。
解いて女の子に良い所を見せられたり、一緒に解決できればいいのですが、もし解けなければ気持ち悪さが残ってしまいます。
そのため、お客さんが文系ならば、クイズは解けないことが多いのでNGです。
その代わり、本や映画の話題を振るようにしています。
彼女は前述の通り元々本ばかり読んでいた女の子ですし、趣味を兼ねてベストセラー小説や話題の映画をチェックしています。
そして、本が好きなお客さんに「あの本読みましたか?面白かったですよね」などと話題を振ることができるのです。
このように、彼女は単なる性交渉だけではなく、トークその他でも盛り上がれる配慮をしているのです。
そのようにしておけば、お客さんが早い段階で射精して時間が余った場合にも、たくさん話して盛り上がることもできます。
そのため、政治や経済、本や映画以外にも、音楽や美術、演劇なども広くカバーしています。
もちろん、それらの全てに興味がないというお客さんもいるでしょう。
そのようなお客さんに対応するためには、オンラインゲームなどの話題もカバーしておくことによって、話が盛り上がるようにしています。
美容への投資は意味なし
考え方は人それぞれでしょうが、彼女の場合は美容への自己投資はほとんど意味がないと考えています。
なぜならば、内面を磨いていない風俗嬢がいくら外面を磨いても、指名にはつながりにくいからです。
実際に、とてもきれいな風俗嬢がそれほど指名を取れず、それほどきれいではない風俗嬢がたくさんの指名を取るというのはよくあることです。
また、最近は風俗嬢になりたがる女性が非常に多くなり、平均的なクオリティが高くなっています。
そのような中で美容にお金をかけてもそれほど大きな差は生まれず、指名つながることも少ないのです。
もちろん、最低限の美容は心がけるべきです。
しかし、それは外面を磨いて華やかに飾るということではなく、清潔感を保つということです。
風俗嬢として最低限必要なのは清潔さであり、清潔感があれば後は内面を磨くだけです。
風俗嬢になって良かったこと
彼女が風俗嬢になって良かったことは、必要なときにまとまった休みを取ることができ、まとまったお金が自由に使えるということです。
彼女の場合は、2~3ヶ月に一回、一週間ほどの休みをとって海外旅行をしています。
マニアックな国を含めて、これまで色々な国に行きました。
このほか、華道・茶道・弓道・書道など色々な習い事もしています。
これが、一般的な風俗嬢との違いを演出するのにも役立っています。
彼女は、それぞれの立場でそれぞれの幸せがあると考えています。
例えば主婦の幸せは、幸せな家庭生活や子育てでしょうし、OLの幸せは合コンや社内恋愛などでしょう。
彼女は風俗嬢ですから、風俗嬢にしか体験できない幸せを追求したいと考えました。
その結果、時間とお金がある程度自由になるという風俗嬢の強みを活かして、海外旅行や習い事を楽しんでいます。
風俗嬢になって嫌だったこと
もちろん、風俗嬢になって良かったことばかりではありません。
風俗で遊ぶお客さんには、変なお客さんはたくさんいるものです。
例えば意味もなく怒りだしたり、いきなり暴れたり、明らかに悪いクスリをやって突然ハイになり、命の危険を感じたこともあると言います。
このほか、人間の醜い部分を目にする機会が多いのも嫌なところです。
例えば、彼女に好意を寄せ、落としたいと思って色々な嘘をつくと言うようなものです。
具体的には、自分を偽って大きく見せようとするようなものです。
収入を大きく見せたり、貯金がたくさんあると言ったり、専務なのに社長であると偽ったり、マンションや高級車を持っていると言ったり、そのようなお客さんは多いものです。
風俗嬢として働いて非常に多くの男性に出会っていれば、そのような嘘はすぐに見抜いてしまうもので、嘘が分かった時に醜さを感じて嫌になってしまいます。
ストーカーについて
彼女を毎回指名してくれる、信頼できる指名客は30人くらいおり、この30人は5年以上通っているかなりのヘビーユーザーです。
そこまで愛されている彼女ですから、やはり求婚されたりストーカー被害に遭うこともあります。
しかし、彼女はストーカーへの考え方も独特です。
彼女は、たとえお客さんがストーカーになったとしても、風俗嬢を追いかけてたくさん通ってくれるようであれば、それは立派なお客さんであるとみなしています。
しかし、お店に通わずにストーカー行為を続けるならば、それはストーカー加害者に過ぎないため、適切な対処をしています。
彼女にとっては、何回も通ってくれるならばストーカーではなく大切なお客さんであり、お店に通わず追いかけてくる人をストーカーと考えているのです。
お金の使い道
これまで書いてきたとおり、努力家の彼女は将来設計もきちんとしています。
お金の使い道は勉強や習い事や海外旅行といった自己投資のほかは、全て将来のためにとっています。
彼女の将来の夢は起業であり、たとえ結婚しても専業主婦になる気はありません。
現在、現金で3000万円、有価証券で1000万円を所有しています。
税金は納めていません。
他の記事でも紹介した通り、国税局は風俗嬢から取る気が全くないことを彼女は知っているため、全く納税していません。
少額での確定申告もしていないため、ローンは組めず、買い物をするときは全て現金です。
彼女のように稼げる風俗嬢になれば、それも可能になります。
まとめ
彼女のように稼いでいる風俗嬢は、色々な努力をしています。
自己マネジメントに本当に気を使っているのです。
風俗嬢になりたいと考えている女性の中には、単に脱ぐ覚悟さえあればたくさん稼げるくらいに考える人もいるかもしれませんが、現在の風俗業界はそれほど甘いものではありません。
確かに、脱ぐ覚悟がありそれなりの容姿をもっているならば、大して努力をせずとも一般のOLくらいの給料は稼げるかもしれません。
しかし、稼ぐために適切な努力を払う女性が実際にいるのですから、彼女たちと同じように月収100万円以上を稼ごうと考えるならば、努力をせずに稼げると考えるのはあまりに甘い考え方と言わざるを得ないのです。
風俗嬢は楽してたくさん稼げる職業ではないということを知ることは、稼げる風俗嬢になるための第一歩なのです。