風俗用語の一つに「色管理」というものがあります。
これは、風俗店の店長や経営者、ときにはスタッフが風俗嬢たちと恋愛関係になることで、お店を辞め得させないようにしたり、お店の為に頑張るように仕向けるようにするというものです。
本稿では、この色管理の実態を紹介していきます。
色管理とは?
風俗のことを調査していると、「色管理」という言葉に出くわすことがあります。
あまり聞きなれない言葉だと思いますし、一般社会ではこのような言葉が使われることはありませんが、風俗店やキャバクラで使われる用語の一つです。
これから風俗嬢になる皆さんには、風俗店の実態の一つとしてぜひ知っておいてほしい言葉です。
色管理とはどのようなものなのでしょうか。
私はデリヘル店長にインタビューしたことがありますが、こんな風に言っていました。
色管理っていうのは、女の子を管理するために、店長とかスタッフが恋愛関係になることです。
管理っていうこともありますけど、それ以上に店を辞めないようにって感じですかね。
もちろん、ほんとに恋愛するんじゃなくて、表面的に付き合ってるように見せておくんですよ。
私たちからしたら、仕事の一環として恋愛してるわけです。
女の子は色管理されてるなんて気づきませんし、なんなら『私は店長と付き合ってるから特別』って思うでしょ。
そしたら、お店を辞めないんですよね。
積極的に色管理をしているお店もあれば、そもそもスタッフと風俗嬢の恋愛を禁止しているため色管理がされないお店もあり、お店によって色管理があるかどうかは異なります。
嘘の恋愛によって女の子をお店に縛り付ける、という本質を見た時、多くの人はあまりいい気分はしないでしょう。
風俗嬢が色管理をされていることを知れば傷つくに違いありません。
お店側の汚いやり方のようにも思えますが、色管理はお店によっては必要なことなのでしょうか。
悩む風俗嬢に色管理
風俗業界で働く男性にとっては、風俗嬢は簡単に落とせる女という見方が強いようです。
特に、風俗店の経営者や店長ともなれば、どんなブサメンでも女に不自由することはない、というように言われるくらいです。
むしろ、「もう女の子はしばらくいいや・・・」と思ってしまうくらい、女性に囲まれた生活を送っています。
風俗嬢になる女性は、誰しも何らかの悩みを抱えているものです。
人に言えない悩みを抱えている女性も少なくありません。
なんの問題も抱えておらず、普通の仕事で十分にやっていけるならば、風俗嬢になる必要などないのです。
悩みを抱えている女性は、いつも不安に駆られて働いています。
また、悩みがあっても家族などの身近な人にも相談できないという風俗嬢も多いもので、そんな時に相談できる相手、頼れる相手が風俗店の店長や経営者となることは、想像に難くありません。
そんな頼れる相手がちょっと優しい言葉をかけてあげたり、親身になって相談に乗ってあげたりすると、風俗嬢はだんだんと店長やオーナーのことを信頼するようになります。
その延長として、恋愛感情が芽生えるのも無理のないことです。
それだけではありません。
風俗嬢は借金をしている、シングルマザーで子供にお金がかかる、なにか目標があってお金を貯めようとしているなど、お金の悩みがあって風俗嬢になっている女性が多く、「もっと稼ぎたい」と思いながら働いている女性がかなりいます。
もっと稼ぐためにはどうすればいいかと考えた時、権力を持っている店長やオーナーに近づいて、フリーのお客さんを優先的に回してもらったり、お店からプッシュしてもらおうと考える風俗嬢も少なくありません。
このとき、風俗嬢たちのこのような心理を逆手にとって、お店が風俗嬢たちを管理するのに役立てることが「色管理」なのです。
色管理をされやすい風俗嬢
お店側は、色管理をする風俗嬢と、しない風俗嬢とを分けています。
口が軽い子や気の強そうな風俗嬢に対して、色管理をすることはありません。
複数の風俗嬢と表面的な恋愛をするのですから、口が軽い風俗嬢が恋愛関係にあることをバラせばすべて台無しになってしまいますし、気の強い風俗嬢も、後で色管理であったことが分かってしまったときに面倒だからです。
では、どのような風俗嬢が色管理をされるのかと言えば、それは、
- おとなしい風俗嬢
- 友達が少ない風俗嬢
- 彼氏がいない風俗嬢
- 精神的に病んでいる(もしくは病みそうになっている)風俗嬢
- お金に困っている風俗嬢
- 田舎から出てきて一人暮らしの風俗嬢
といった風俗嬢たちです。
ちょっと考えてみるとわかりますが、これらの全てに共通して言えるのが「寂しい」ことです。
寂しいからおとなしい、友達が少なくて寂しい、彼氏がいなくて寂しい、精神的につらくて寂しい、お金が無くて不安で寂しい、田舎から一人で出てきて寂しい、といった感じです。
心のどこかに寂しさを持ち、孤独感を抱いている風俗嬢は、少し優しくされたり、心配されたりするとすぐ心に響いてしまいますから、色管理に引っかかりやすいのです。
また、このような傾向がある風俗嬢たちは、自分ひとりが特別扱いされているという実感に弱いという特徴もあります。
特に、おとなしい、友達が少ない、彼氏がいないなどの風俗嬢は、今まではあまり男性にちやほやされたことが無い女性が多いため、店長などに大事にされていると錯覚した時にコロリとやられてしまいます。
色管理をされにくい風俗嬢
もちろん、風俗嬢のなかには色管理をされにくい女性もいます。
その特徴は、
- 安定して稼いでいる風俗嬢
- お金に困っていない風俗嬢
- お店と距離を置いている風俗嬢
- 風俗を仕事として割り切っている風俗嬢
- 恋愛に不自由していない風俗嬢
- 自分の意志が強い風俗嬢
といった風俗嬢たちです。
このような風俗嬢に色管理を仕掛けたところで、簡単には落とすことはできません。
風俗をあくまでもビジネスとして割り切っており、自分の意志を持って働いているからです。
自分の意志がある女性に対して、表面的な恋愛でお店に都合のいいように扱おうとしても、簡単に流されるはずはありません。
むしろ、不快に感じさせてしまうだけですから、お店もこのような風俗嬢に対して色管理を仕掛けることはありません。
色管理はどうしてダメか
では、風俗嬢にとって色管理は好ましいのでしょうか?好ましくないのでしょうか?
風俗嬢の立場から見てみれば、自分だけ特別扱いをされており、優先的に稼がせてもらうことができ、彼氏のためにも役立っているという実感が得られているわけですから、必ずしも悪いとは言い切れないような気もします。
しかし、本質的な部分を見てみると、お店のために都合よく利用されており、場合によっては安い給料で一日何本も働かされており、本当の恋愛ができているわけでもありません。
知らぬが仏という言葉もありますから、確かに恋愛をして、良い条件で働けているとしか思っていないうちは幸せだろうと思います。
しかし、その状態が何年も続くのかと言えばそんなことはなく、いずれは何らかの理由によって勘づいて、色管理をされていたことに気づくことでしょう。
その時のショックや怒りは計り知れません。
自分は信頼しており、その人の為に良かれと思って頑張ってきた・・・それが裏切られたとわかったときの悲しさやストレスは非常に大きいものです。
その悲しさやストレスで精神を病んでしまう人もいます。
しかし、色管理をされていたと気づいて、すぐに吹っ切れることができる風俗嬢はまだ良い方だといえるでしょう。
精神的にあまり強くなく、依存してしまう女性が色管理に遭ってしまった場合には、もっと悲惨なことになりがちです。
こんな話があります。
あるデリヘル店で、面接に来た女性がいたのですが、彼女は前のお店で色管理をされていることに気づき、お店を変える決心をしたのでした。
しかし、色管理をされていたと気づいていたにもかかわらず、その女性はお店を変えてからも前の彼氏、つまり店長のことが忘れられず、しばらくしてから前のお店に戻ってしまいました。
一度色管理をされてしまった風俗嬢は、色管理だと気づいた時には「もうこんなことは終わらせなければ」と決心するのですが、自分の気持ちがよほど強くない限り、物足りなさを感じてくるのです。
色管理をしてくれるお店を、無意識のうちに求めている風俗嬢もいます。
このことから、色管理というものは、マインドコントロールに近いといえます。
色管理にハマってしまうと、本当にそこから目覚めることは簡単ではないのです。
まとめ
とはいえ、いくら色管理がマインドコントロールで怖いものだとは言っても、どうしようもない部分もあります。
そんなことを言ったって、風俗で働く女性が悩みを抱えがちなのは事実ですし、その弱みにお店が付け込もうとするのも事実です。
精神的に疲れている時には判断力も鈍ってくるもので、それがマインドコントロールなのかもしれないとわかりそうなものでも、わからなくなってしまうことがよくあります。
正常な感覚から見れば、すぐに色管理であるとわかるような状況なのに、
「私だけ特別扱いされている」
「私だけ好きって言ってもらえる」
「私は彼(お店の店長)に必要とされている」
と思い込んでしまうのです。
一部分では、そう思い込むことによって、自分で自分を納得させようとしているとも言えます。
このような気持ちで働いている風俗嬢が、全国には何万人もいるといわれています。
その中には、本当は色管理だとわかっていても、その現実を受け入れられずに、お店から利用されている女性もたくさんいます。
結局のところ、本人次第でしょう。
色管理と分かっていても、それで自分を納得させて働くことができるのであれば、それも悪くはないのかもしれません。
しかし、お店は都合よく扱うために色管理をしているのですから、できれば色管理を受けないように、風俗を仕事と割り切って働くのが一番いいのは事実です。