風俗嬢という仕事は、それほど大っぴらにできるものではなく、実際に多くの風俗嬢が人に明かさずに風俗嬢をやっています。
しかしながら、一昔前とは様子が変わっており、家族に明かしたうえで風俗嬢をやる女性が増えてきています。
本稿では、風俗嬢と家族の関係を見ていこうと思います。
風俗嬢の秘密
風俗嬢に対して、単なる興味からもいろいろな疑問が向けられるものですが、よくある疑問の一つに、
「風俗嬢は、自分が風俗嬢をやっていることを周りの人に明かしているの?」と思います。
確かに、新たに知り合いや友達ができたときに「仕事は何をしているの?」と聞かれることは日常的にありますし、親や兄弟からも何らかのことを聞かれることでしょう。
しかし、もしあなたが風俗嬢をやっていたと考えてみてください。
ごく親しい友人は別かもしれませんが、単なる知り合いやちょっとした友達、親や兄弟などには風俗嬢であることを隠すという人が多いと思います。
実際、風俗嬢たちも同じで、基本的には自分が風俗嬢であることを隠しています。
特に、友達は別としても家族にだけは隠し通したいと思っている女性は多いのです。
これが、人妻風俗嬢になると特に顕著になります。
理由は言うまでもなく、知られてしまえば離婚の原因になりますし、子供が知ればグレる原因になる可能性もあるからです。
義理の両親などに知られてしまえば、道徳観念が強い世代の人ですから、非常に強い反感を買うに違いありません。
このことから、風俗嬢たちは多くの場合、現役中はもちろんのこと、引退後も家族にはとにかく風俗嬢であること、風俗嬢であったことを知られないように気を付けています。
家族に知られているケースのいろいろ
とはいえ、これは風俗嬢であることを隠している女性が、隠さない女性よりもかなり多いというだけのことです。
そのような状況の中で、昔ならば考えられなかったことですが、家族に知られたうえで風俗嬢をやっている女性も増えてきています。
このことは性風俗業界全体で起きている傾向で、例えば有名なAV女優である紗倉まななどは、親公認のもとでAV女優をやっています。
風俗嬢においても、家族が知っている女性が増加しているのです。
この最大の理由は、不況が影響しているでしょう。
一昔前の風俗嬢ならば、消費癖がひどい、ホストにハマって貢いでいるなど、遊ぶお金ほしさや借金返済の必要に迫られて風俗嬢になるケースが非常に多かったものです。
自分の失敗で風俗嬢になっているのですから、情状酌量の余地はなく、家族に言えばトラブルになってしまいます。
だからこそ言えなかったという背景がありました。
しかし、最近では長引く不況の影響から、生活のために風俗嬢になる女性が増えており、家族にも相談したうえで風俗嬢になることを決めているケースが増えてきているのです。
主婦が風俗嬢になる場合
中には、不況の影響で夫がリストラになり、生活費が足りなくなったことから、「すまないが風俗で稼いできてくれないか」と頼まれることもあるといいます。
夫はすぐに再就職することは難しく、収入は失業保険くらいになり、貯蓄もそれほどなく、しかしローンの返済や子供の学費などは相変わらずかかってきます。
そうなると、風俗嬢になることを決意する女性は多いのです。
特に、自分が稼がなければ子供が苦労をすると考えたとき、母親はためらうことなく風俗嬢になるケースが珍しくありません。
このような場合にはバレる・バレないという問題ではありませんが、主婦が自主的に風俗嬢になる場合でも、夫に隠れて風俗嬢になるケースが多い中で、夫婦で相談してから風俗嬢になるケースも増えてきています。
娘が風俗嬢になる場合
次に、親に知られているかどうかという問題です。
親の借金を返済するために娘が風俗嬢になるケースがありますが、そのようなケースでは親が娘に風俗嬢になることを懇願することはほとんどなく、娘が自主的に決断することがほとんどです。
実際の話ですが、親の借金で家庭の生活が成り立たなくなったために風俗嬢になった女性に話を聞くと、「風俗嬢になって借金を返す」と母親に伝えたとき、例外なく母親は泣き崩れたといいます。
父親には伝えていない風俗嬢も多いのですが、伝えた場合にも父親は何も言えずにうなだれていたそうです。
これは当然でしょうね。
父親としては、自分の放蕩や事業の失敗のせいで借金を抱えてしまい、そのせいで娘に風俗嬢をやらせることになったのですし、かといって「そんなことするな!」といっても生活は苦しくなるばかりですから、うなだれるほかはないでしょう。
母親が風俗嬢になる場合
風俗嬢であることを家族に知られるケースとして、最も珍しいのは子供に知られているというケースです。
子供に風俗嬢であることを知られているというのはとても珍しいケースで、子供がいながら風俗嬢をやっている女性が100人いれば、そのうち1人くらいのものでしょう。
ある元風俗嬢の女性は、自分が現役風俗嬢として働いているときに夫だけではなく、息子にも仕事を明かしていたそうです。
風俗嬢を引退した今では、お店の裏方として働いていますが、裏方に回るにあたっても家族会議を開いたうえで、夫と息子の了承を得てから働いたといいます。
多くの女性にとって、自分の子供に風俗嬢であることを知られるのはいやでしょう。
では、この女性がおかしいのかといえばそんなことはなく、ちゃんとした理由があります。
その理由は、以下の通りです。
風俗で出勤するためには、毎晩化粧をして街に出かけることになるわけですが、それを見た息子は快く思っていなかったそうです。
生活はラクじゃないのに、化粧して毎晩遊びに出ていると思われたからです。
あるいは、そんな母親のせいで生活がラクにならないと思っていたかもしれません。
そう思った息子は、次第に母親に反発するようになりました。
そこで彼女は、自分は遊びに行っているんじゃなくて生活のために働いているんだ、生活のためにカラダを売っているんだと伝えたのです。
中学生だった息子はシュンとなり、それからはおとなしくなったそうです。
もっとも、子供に勘違いをされて反発されたからといって、なかなか明かすことができない女性のほうが多いことでしょう。
しかし、いくら母親が知らせなかったとしても、子供が勘づいてしまうこともあるようです。
理由はいろいろですが、よくあるのは、子供や子供の友人が風俗店のサイトで写真を見たところ、似ていると思われることからバレることがあるのです。
顔全体にモザイクをかけた写真にしたり、そもそも写真を載せなかったりすることもできますが、指名を取ってお金を稼ぐためには、せめて目から上くらいは載せる風俗嬢が多いのです。
しかし、バレてしまった場合にも、それが家庭内で問題となることは少ないようです。
遊ぶためのお金ほしさではなく、生活を支えるために風俗嬢をしているならば、子供がグレるケースは少ないでしょう。
生活がラクではないことくらい、同じ家で生活していれば息子にはきちんとわかります。
そのうえで風俗嬢をしていることが分かったとしても、息子は「そこまでして支えてくれているんだ」と思うに違いありません。
感謝こそすれ、グレてしまうことなどないでしょう。
その点では、夫や親に知られたうえで働くケースと大差ないといえます。
もちろん、母親の気持ちとしては知らせたくないでしょうが。
また、現在中学生や高校生、大学生といった年齢の子供たちは、性風俗に対して非常に寛容な考え方を持っているものです。
何しろ、恵比寿マスカッツのようにAV女優がアイドルのような活動をして喝采を浴びる時代ですから、性を売りにすることを「はしたない」と考える子供は少なくなっているのです。
むしろ、AV女優になりたいと考える女の子は増えていますし、若い女性が何の疑いもなく風俗嬢になるケースが増えています。
だからこそ、母親が子供に隠して風俗嬢をやっていたことがバレたとしても、そのことが重大な問題を引き起こす可能性は低いと言っていいでしょう。