風俗は、お金さえ払えば、女性と裸で遊べる場所です。
風俗嬢にとっては、お金のためにやっているにすぎないのですが、お客さんの中にはひどい勘違いをし、両想いである、既にカップルであるなどと思い込むことがあります。
その結果、風俗嬢が危険を感じて出禁にしたりすると、ストーカー化してしまうことがあります。
では、ストーカーには具体的にどのような例があるのでしょうか。
本稿では、お客さんがストーカー化してしまう理由と、風俗嬢から聞いたストーカーの具体例を紹介していきます。
風俗客がストーカーになる理由
風俗嬢として働いていると、色々な男性に接客することになります。
お客さんにも色々で、単に性的欲求を満たしたいと考えている人もいれば、精神的に癒してほしいと考えている人もいます。
お客さんの欲求は色々ですが、多くのお客さんに共通することがあります。
それは、風俗のお客さんの多くが、日常的に女性との接点がないということです。
もちろん、既婚者のお客さんもおり、奥さんとのセックスがなく、性的欲求を満たすために風俗に遊びに来る男性もいます。
また、彼女がいる男性の中にも、たまには彼女以外の女性と楽しみたいと考えて、風俗を利用する人もいます。
しかし、そのように女性と接点がある男性よりも、女性と接点がない男性のほうが圧倒的に多いのが実情です。
もし、女性との接点があり、デートをしたり、体の関係を持ったりすることができる男性ならば、わざわざ高いお金を出して風俗を利用することはありません。
風俗を利用する男性の多くは、日常生活で性的欲求を満たすことが難しいからこそ、お金を払って風俗を利用するのです。
このように、日常的に女性との接点がない男性の中には、現在において女性との付き合いがないだけではなく、これまでの人生で女性との接点がなかった例が少なくありません。
これまでの人生を通して、女性と付き合ったことがなかったり、好きな相手ができてもフラれっぱなしだったり、中には女性から毛嫌いされてきたような男性も少なくありません。
そのような男性が風俗店のお客さんになったとき、ストーカーの危険性があります。
もちろん、そのような男性以外はストーカーにならないということではありませんし、そのような男性が必ずストーカーになるわけでもありません。
しかし、女性と付き合ったことがない男性は、女性というものをあまり理解していなかったり、女性に間違った幻想を抱いていたりすることが多く、これによってストーカーにつながる勘違いに陥りやすくなるのです。
ストーカーに至る勘違いの例
例えば、こんな勘違いがあります。
普通、裸というものは、心を許した相手にしか見せないもので、彼氏と彼女という関係や、セフレという関係などにならなければ、エッチなことをすることはありません。
しかし、風俗店ではお金を払うことによって、男女が裸の関係になることができます。
お金というものが介在して裸の付き合いが生じているのですから、それ以上でもそれ以下でもないのですが、女性に免疫のない男性がそのような体験をすると、その女性が心を許してくれているように錯覚することがあります。
人によっては、その錯覚がひどくなり、「あの子も俺が好きに違いない。だって、あんなことや、こんなこともしてくれたし・・・」などと思い込んでしまいます。
風俗嬢は、サービスとしてそのようなことをしているのですから、何の特別な感情もないのですが、勘違いしてしまうお客さんもいるのです。
このように勘違いをしたお客さんは、風俗嬢も自分のことを好きなのだから当然だと考え、メールや電話をしたいと言ってきたり、お店の外でデートをしようと言ってきたり、風俗嬢にとって非常に面倒な存在になります。
そこで、風俗嬢はストレスを感じてお店に報告し、そのお客さんをNG客に指定することになります。
すると、お客さんが指名を入れようとしても入れられなくなり、二度と指名できなくなります。
普通のお客さんならば、この時点で自分の勘違いに気付いたり、嫌われたと感じて諦めるのですが、ストーカー気質のお客さんは諦めるのではなく、「お店が自分たちを引き離そうとしている」などと考え、しつこく付きまとうことがあります。
また、「あんなにお金を使ったのに・・・、俺は騙されていたんだ」「裏切られた」などと考え、逆上し、復讐のために付きまといや嫌がらせを働く人もいます。
恋人営業はもっと危険
風俗嬢によっては、お客さんに対して恋人営業をすることがあります。
恋人営業とは、恋人同士のような雰囲気を作って接客することであり、疑似恋愛を楽しむお客さんや、精神的な癒しを求めているお客さんには効果的な方法です。
しかし、上記のような、勘違いをしやすいお客さんに対して恋人営業をした場合、お客さんの勘違いを加速させる可能性が高いです。
また、普通に接客していれば勘違いしないお客さんも、勘違いさせてしまうことがあります。
恋人営業はお客さんに疑似恋愛を楽しんでもらうものであり、ある意味では非日常性を売りにしていると言えるため、錯覚して当然の接客方法だと言えます。
このため、錯覚したお客さんがたくさん指名してくれ、たくさん稼げるということにもつながるのですが、お客さんが勘違いすることも多く、リスクの高い接客方法なのです。
このため、恋人営業をする風俗嬢は、お客さんの勘違いにストレスを感じ、疲れ果ててしまったり、ストーカー被害に遭ってしまったり、あまり良くない結果を招いてしまうことがよくあります。
恋人営業で成功できる風俗嬢は、お客さんに疑似恋愛を楽しんでもらいながらも、風俗嬢とお客さんという一線を越えてしまわないように、うまく線引きをしながら付き合うことができます。
当然ながら、そのような風俗嬢は少なく、多くの風俗嬢にとって恋人営業を使いこなすことは非常に難しいと言えます。
ストーカー対策の方法とは
以上のように、お客さんがストーカーになる理由には、
- お客さんが女性に慣れておらず、勘違いをしてストーカーになる場合
- 風俗嬢がお客さんを勘違いさせ、ストーカーになる場合
の二通りがあると言えます。
恋人接客をしなければ、風俗嬢が原因となってストーカー被害に遭う可能性は低いのですが、お客さん側が勝手に勘違いをしてストーカーになる場合には、風俗嬢側には防ぎようがありません。
そこで、風俗嬢はお客さんを勘違いさせないように気を付けながらも、お客さんがストーカーになる可能性をゼロにすることはできないと考えておく必要があるでしょう。
その上で、お客さんが勘違いしていそうな発言をしたり、危ない雰囲気を感じ取った場合には、お客さんの勘違いが深みにはまらないうちにお客さんをNG客に指定し、それ以上の深みにはまっていかないようにしなければなりません。
また、お客さんが実際にストーカーになってしまった場合には、お店に相談をして助けを求めたり、場合によっては警察に相談したり、お店を変えることによってお客さんから逃げるなどの対策を取ることとなります。
ストーカー対策は有効か?
しかし、お店に相談しても、警察に相談しても、お店を変えても、ストーカー被害から逃れられない場合もあります。
お店に頼る場合
まず、お店に相談した場合ですが、お店に相談すれば、閉店後に警戒しながら送迎してくれるなど、ある程度の安全を確保することができます。
しかし、ストーカーが本気になった場合、興信所を使って自宅を特定したり、その風俗嬢のSNSを探そうとしたり、なんらかのルートで情報を入手して自宅や職場、学校などを特定したりすることがあり、お店に相談すれば絶対に安全とは言い切れません。
また、派遣型風俗店では、名前を変えてその風俗嬢を指名し、会おうとする場合などもありますから、お店に頼るだけでは完全にストーカー被害を防ぐことは難しいと言えます。
警察に頼る場合
次に、警察はもっと頼りになりません。
最近では、ストーカーによる大きな事件の影響もあって、いくらかマシになってきているようですが、まだまだストーカー問題に警察が立ち入るケースは少ないです。
というのも、一口にストーカー被害と言っても、それが深刻なストーカー被害であるのか、それとも男女間のちょっとした行き違いを、女性側が一方的にストーカー呼ばわりしているのか、色々なケースが考えられるからです。
警察は民事不介入ですから、単なる男女間のもめごとに警察が立ち入ることはできず、警察としてもストーカーは厄介な問題なのです。
このため、警察にストーカー被害を訴えた場合、
では、実際に危害を加えられそうになったら110番してください。
という感じの対応になることがほとんどです。
警察が親切に対応してくれたとしても、
では、あなたの自宅周辺をパトロールし、不審者がいれば口頭で注意します。
といった程度です。
警察は、事件性がなければ動くことができない組織であり、ストーカー対策にはほとんど役に立たないと考えてください。
警察に頼る方法があるとすれば、弁護士にストーカー被害を訴え、事件性を示す資料や証拠を集めた上で警察に被害を届け出ることで、ストーカー規制法違反による逮捕に動いてもらうことになるでしょう。
お店を移る場合
これは、かなり効果的な方法であり、ストーカー対策の王道とも言える方法です。
お客さんや同僚の風俗嬢など、関係者に一切伝えることなくそのお店を辞め、ある程度距離のある別の風俗店に移るのです。
風俗店の数は非常に多く、それぞれの風俗店では日々風俗嬢が入れ替わっています。
そのため、ストーカー被害に困った風俗嬢がお店を移ったとしても、どこに移り、何という名前に変えて活動しているかを特定することはほぼ不可能です。
しかし、もしストーカーがかなり執拗である場合には、興信所などを使って移籍先や自宅などを突き止める場合もあると言いますから、完璧な方法とも言えないでしょう。
以上のように、ストーカー被害に遭った風俗嬢は、相手が非常にしつこい場合には、その相手からなかなか逃れられない場合もあるのです。
だからこそ、相手がストーカー化してしまうことがないように、接客を工夫したり、勘違いが浅いうちに対処したりすることが大切なのです。
そして、もし深刻なストーカー被害に悩んだ場合には、弁護士に依頼するなどして警察にも動いてもらい、かなり大掛かりな対策を打つ必要があると言えます。
他人事と思わない
ストーカー被害の恐ろしさを知らない人は、果たして本当にストーカーがそこまでしつこいだろうかと疑問に思うかもしれません。
しつこく付きまとったところで、ストーカーには何の得もありませんし、むしろ警察沙汰などになれば人生を大きく狂わせることになります。
しかし、ストーカーというのはそういうものなのです。
現在、ストーカーという犯罪行為に対する心理学的研究や、脳科学的研究が進んでいますが、一説によるとストーカーは脳の病気であると言います。
また、精神病が関係しているとする説もあります。
もし、このような解釈が本当なのであれば、ストーカーという不合理な行動が起こるのも仕方がないと言えるでしょう。
そして、学問的にどうであるかという以前に、ストーカーが病的な妄想を抱き、被害をもたらすことがあるのは事実なのです。
風俗嬢として働く女性は、これを事実として受け止め、自分にも無関係な話ではないと考えなければならないのです。
ある風俗嬢の体験談
ここに、一つの実例があります。
ストーカー被害に遭った、風俗嬢のAさんの話です。
Aさんは、多くの本指名客を抱えている、人気風俗嬢でした。
そのうちの一人は、特によく通ってくれており、最初は感じの良いお客さんだなと思っていました。
しかし、そのお客さんが頻繁に通い始めてから半年くらい経った頃、Aさんは徐々に違和感を抱きはじめました。
会話をしていると、まるで実際に付き合っているかのような発言をすることが増えてきたのです。
危険を感じたAさんは、お店に相談し、そのお客さんをNGにしてもらいました。
しかし、平穏を感じたのも束の間、1週間くらい経った頃、自宅に大量の手紙が届いていました。
もちろん、そのお客さんからのものです。
手紙には、
「家に手紙を送ったりしてごめん。
でも、それなりの機関(興信所)に頼るしかなかったんだ。
運命の出会いだって信じてたのに。
でも、君がもし僕のことをまだ彼氏だと思ってくれているなら、明日の〇時に○○駅まで来てほしい。
それで駄目なら諦めるから」