性風俗店には色々な客が来るもので、中には嫌な客もいるものです。
何を以て嫌とするかは風俗嬢によっても異なるでしょうが、どのような嫌な客がいるのか、具体的にはどのような客なのかを書いていきます。
風俗には嫌な客も来る
風俗嬢をはじめとしたセックスワーカーの悲惨さを言い表すために、よくフェミニストなどは「風俗嬢は客を選べない」といいます。
実際に風俗店では、明らかに泥酔している客や、明らかに性感染症を持っている客、暴力を働いたことがある客の入店を禁止したり、風俗嬢の知り合いが来た場合には拒否することはできますが、そのような客は全体のごく一部であり、それ以外は選り好みできないことがほとんどです。
風俗の客には良い客もいれば、嫌いな客もいれば、どちらでもない客もいるものです。
これから風俗嬢になりたいと考えている本稿の読者にとっては、この中でも「嫌いな客」というのはいったいどのような客であるのかが関心の対象となっているでしょう。
それを知るためには、風俗嬢に対する調査の中で、「嫌な客とはどのような客か」というものを参考にするのが良いでしょう。
この調査では、嫌な客を嫌と思う要因として、関係性における要因、身体的・物理的な要因、行動における要因の三つに分類しています。
その結果、関係性が嫌という回答が68.3%、身体的・物理的に嫌という回答が26.2%、行動的に嫌という回答が21.4%となっています。
この回答は、風俗嬢の性格から見てどのような客を苦手とするかによって分かれてくるものであるため、一概にいい客と悪い客を分類することは難しいものですが、参考にはなるでしょう。
関係性における要因
関係性が嫌と回答した風俗嬢に対して、どのように嫌なのかをさらに調査すると、以下のような回答が得られています。
嫌な行為の強要をする(NGプレイや本番の強要など)→25.6%
ヘルス系風俗店では、基本的に本番行為は禁止とされています。
風俗嬢のなかには、後々指名してくれる客へのサービスとして本番をしたり、別途料金を請求して個人的に本番をしたりする風俗嬢もいますが、当然拒否する風俗嬢もいます。
しかし、客の中には本番を迫り、時に無理やり本番をしようとしたり、わからないように本番をしようとする客は多いもので、これを嫌と考える風俗嬢が多いようです。
風俗嬢が拒否したにもかかわらず本番をするというのは強姦で犯罪行為であるため、暴力的な被害であることのほか、避妊や性感染症予防の観点からの被害も問題になります。
特に、ヘルス系では生フェラを基本としていることが多いため、そこからの流れで生本番を強要されてしまうこともあります。
もっとも、本番の強要とはいっても、力ずくで無理矢理本番行為に持ち込むということは少なく、「本番をやらせて」としつこくお願いして来たり、本番行為に持ち込んでいると分からないように自然に本番に持ち込もうとするケースがほとんどです。
指入れも風俗嬢にとっては嫌な行為の一つです。
確かに、カップルなどでは前戯における指入れが喜ばれることもありますが、風俗嬢は何人もの客を相手にするため、激しい指入れによって膣内を傷つけるリスクを負っていることから、嫌な行為なのです。
お店が指入れを認めているならば風俗嬢も拒否することはできませんが、指入れNGとしているのに指を入れようとする客がいたり、風俗嬢に優しくすれば指入れは喜ばれるものだと勘違いして指を入れようとする客もいます。
中には、AVなどから指入れの知識を得ただけの客であれば、風俗嬢が「いや」と言った場合にもそういうプレイであると勘違いをし、なかなかやめようとしないこともあります。
そのため、指入れの強要も嫌だと考える風俗嬢は多いのです。
勝手な思い込みをしている→25.6%
これは見方によっては嫌な行為の強要と同じくくりになりますが、プレイ中に勘違いや勝手な思い込みでプレイを展開しようとされれば、風俗嬢にとっては迷惑です。
風俗嬢が「痛いからやめて」と言っているにも関わらず、しつこく強引に攻めてくる客は少なくないのです。
また、プレイ中に風俗嬢も気持ちよくなっていると勝手に思い込んで「気持ちいい?」としつこく聞いてくる客もおり、それを嫌だとする風俗嬢もいます。
プレイ中にこのように聞くのは、一緒に気持ちよくなることで気分を高めたいから聞くという客もいるでしょうし、風俗嬢に演技や我慢をされると興ざめするから聞くという客もいることでしょう。
その場合には聞かれてもそれほど困るということはないのですが、やはり嫌だと感じる風俗嬢は多いのです。
風俗嬢としては、気持ちよくなりたいからセックスをしているわけではなく、仕事としてやっているため、気持ちいいかどうかは別次元の問題です。
また、全く気持ちよくないことも多いでしょう。
それなのに「気持ちいい?」としつこく聞かれると、「気持ちよくない」とは言えずに必要以上に演技を強いられることとなってしまい、嫌だと感じるのです。
このほか、風俗嬢と自分は親しい関係になっていると勝手に思い込み、風俗嬢に色々なことを聞いてくる客も嫌がられます。
「普段は何をしているの?」「出身地はどこなの?」などといった個人的なことを色々聞かれると、知り合いや親には風俗嬢であることを隠している女性も多いため、あまり気持ちのいいものではないのです。
しかし、風俗嬢によってはこの点を活かしている風俗嬢もいるため、このようなコミュニケーションは一長一短と言えるでしょう。
風俗嬢のなかには、客との親近感を高めて時には疑似恋愛に近いことも行ない、指名を獲得していく風俗嬢もおり、そのような風俗嬢は客のプレイベートに関する質問をしながらおしゃべりを楽しんでいます。
また、風俗嬢によっては、プライベートのことをはじめとした色々なおしゃべりなどが全くなく、やることだけやって終わりというような客を嫌いと考える風俗嬢がいることも書いておきます。
高圧的である→16.3%
客の中には高圧的な人もおり、それを嫌と考える風俗嬢もいます。
例えば、命令口調である、態度が大きい、つまり「お金を払っているんだから言われた通りにやれ」というような客です。
このような客は性風俗に限らずどこにでもいるもので、多くの人から嫌われるものです。
風俗嬢に対してあれをやれ、これをやれという態度の客は風俗嬢から嫌われ、風俗嬢も積極的に満足させようという気分がなくなるため、お互いにとってデメリットしかない行為です。
無口で暗い→14.0%
非常に上手な風俗嬢であれば、客から何も言われずとも勘所をおさえて最高のサービスを提供することもできるでしょうが、ほとんどの風俗嬢にそれは不可能です。
例えば、相手のことをある程度知ってからでなければサービスが難しいという風俗嬢もいますし、客にどのようにしてほしいかを聞いてからサービスをする風俗嬢もいます。
そのような風俗嬢にとっては、無口で暗い客の相手は難しくなり、嫌な客となります(客とできるだけ話したくない風俗嬢ならば大歓迎でしょうが・・・)。
しかし、これは客が悪いということではなく、風俗嬢の対応次第でしょう。
風俗には色々な客が来ます。
奥さんや恋人がいながらも刺激を求めて風俗に来て、気さくに話す客もいます。
しかし、今まで女性とあまり話したことがない客も来ますし、風俗嬢としかセックスをしたことがない素人童貞も来ます。
ですから、客には本当にいろいろな人がいますから、無口な客や暗い客が来るのも仕方のないことなのです。
そのような客をいかに自分の固定客にするかは風俗嬢の腕次第です。
見下してくる→10.5%
客の中には、風俗嬢を見下してくる客もいます。
「風俗嬢は汚らわしい」と言ったり、「なんで風俗嬢“なんか”やっているの?」と聞いて来たりする客がおり、このような見下した発言は風俗嬢が不快になっても仕方のない類のものです。
見下してくる客もには、そういうプレイを望んでバーチャルでやっている客もいますし、本当に見下している客もいるため、この見極めが重要でしょう。
バーチャルでやっている客ならば、その性癖に応えて満足させてあげるのが賢いやり方でしょう。
しかし、本当に見下している客は高圧的な客にもつながり、嫌われてしかるべき客であると言えます。
自分勝手である→8.1%
自分勝手な客も嫌われます。
例えばマナーを守らない客や、注意事項を守らない客です。
例えば、自分本位で自分のやりたいことだけをする客がそうですが、風俗嬢としては規定のサービスを提供しなければお店から怒られてしまうため、困ってしまいます。
このほか、自分勝手な要求が多い客も嫌われます。
ルール違反であり、嫌われても仕方のない客ですが、それを特に嫌とする風俗嬢が少数派だったのは、それが禁止事項でないならば、客の性的嗜好であると考えて、仕事として付き合える風俗嬢が多いからです。
ちなみに、規定のサービスをしなければ必ず怒られるというものではなく、これはお店によります。
規定のサービスをすべてしなくとも客さえ満足すれば問題ないとするお店もあれば、全てのサービスを一体的に考えているために怒るお店もあります。
実際には、自分勝手な客というのは多いものですから、それに応えるのもサービスと考えた方がやりやすくなるでしょう。
なにしろ、風俗店に来る客というのは普段奥さんや恋人やセックスフレンドとのセックスではなかなか試すことができないプレイを楽しみたいと考えている人も多いため、画一的なプレイを受けるよりはいろいろ試して見たいと考える風俗嬢もそれなりにいるのですから。
身体的・物理的な要因
これは、不潔さを嫌う場合が多いようです。
臭い人、汚い人、不潔な人などがよく挙げられます。
例えばよく嫌われるのは爪が汚い人ですが、そのような人から膣に指入れをされてしまえば、雑菌が入る危険性があります。
風俗店によっては待合室に爪切りが置いてあるのも、このことに対する配慮です。
もっとも、このようなことは風俗嬢によって許容範囲がかなり異なります。
人によっては体臭はどうしようもないということもあります。
そのため、手や性器や口といった、それが汚れていることによってリスクが増す部位さえ清潔しておけば、その他はあまり気にしない方が働きやすくなるでしょう。
行動における要因
ヘルス系風俗店では本番行為を禁止しているのはもちろんのこと、激しい指入れを禁止していたり、風俗嬢が痛がることや嫌がることを禁止しており、その旨の張り紙などがしてあるものです。
しかしそれが守られないこともあり、嫌がる風俗嬢は多いものです。
客のこんな行為が困る
風俗嬢が嫌がる行為を色々と見てきましたが、嫌がる行為の代表的なものは本番行為を迫る、見下す、ストーカーとなります。
ストーカーは「嫌な客」の範疇を超えたケースであるため上記には登場しませんでしたが、そのケースに見舞われた風俗嬢は怖い思いもします。
これらの例について、より詳しく見ていきましょう。
本番を迫ってくる客
本番を迫ってくる客はどれくらいいるものなのかを調査したデータがあります。
本番を迫ってくる客は10人中どれくらいかという調査なのですが、それによると答えは様々で、風俗嬢によって本番を迫りやすい風俗嬢と迫りにくい風俗嬢がいるのかもしれません。
10人中2人未満との回答が38.1%、2~5人という回答が44.4%、6~10人という回答が17.5%となっています。
ここでいう「本番を迫る」というのは、上記の通り大部分が「本番をやらせて」と迫ってくる客ですが、脅したり暴力をふるったりして本番を強要する客もいます。
本番を強要する客に対しては、色々な対応があります。
怒ったり注意したりするという対応が48.4%、お店のスタッフを呼ぶという対応が27.0%、流すという対応が1.6%、泣くという対応が1.6%、その他が23.8%となっています。
どの程度本番を迫られるかは客によってさまざまであるため、どのようにすれば回避できるかは風俗嬢自身が経験の中で身に着けるか、先輩風俗嬢やお店の指導で学んで身に着けていく必要があります。
風俗嬢が店舗型であれば、インターホンを外して本番を迫る声がスタッフに聞こえるようにしたり、プレイルームに監視カメラがあるから本番をしたらバレると脅すといったことも可能となります。
このほか、客が本番を迫ってくる人数に2人未満から6~10人までと大きな開きがあることの背景には、お店の対応も大きく関係しています。
例えば、本番を迫る客に対するお店の対応が厳しければ、「このお店は本番を迫ってもめると面倒だぞ」という認識が広まって本番の要求は少なくなります。
しかし、お店が見て見ぬふりをするような対応であれば、客は「このお店は本番を迫っても大丈夫だぞ」という認識となり、本番の要求が多くなるのです。
また、店舗型か無店舗型かによっても大きく異なります。
店舗型であれば、何かあった際にすぐスタッフが駆けつけることができるため、本番を迫ることは少なくなります。
しかし、無店舗型ではホテルや客の自宅に客と風俗嬢が二人きりとなるため、客は大胆な行動に出やすいのです。
実際、デリヘルの店舗数が飛躍的に伸びた昨今、風俗嬢が暴力をはじめとしたさまざまな被害に遭いやすくなっています。
行政が店舗型風俗を厳しく取り締まった結果、そのしわ寄せが風俗嬢に来ているともいえます。
見下してくる客
見下したしゃべり方をする客が嫌われるのは前述の通りですが、見下したしゃべり方をする客の人数も回答する風俗嬢によって様々です。
10人中1人未満が53.2%、1~3人が38.7%、4~10人が8.1%となっています。
半数以上が見下す客にはほとんど遭遇しないと回答していることが目立ちます。
このことには、性風俗に対する社会の見方が変わってきており、昔ほど蔑まれる職業ではなくなっていることが理由と言えるでしょう。
今や、普通の女性が風俗嬢として働く時代になってきているのですから、当然のことです。
しかし、「風俗嬢しかできないんでしょ」「よく好きでもない男とやれるよね」といった見下した発言にさらされることがないわけではありません。
このように言われることによって、精神的に参ってしまう風俗嬢もいます。
ストーカー
最後に、例外的であるものの本当に困った客がストーカーになる客です。
色々な被害の中でも最も深刻な物であり、時には身に危険が及ぶことさえあります。
風俗嬢のストーカー被害は少なくなく、ストーカー被害に遭ったことがない風俗嬢は74.6%、ストーカー被害に遭ったことがある風俗嬢は25.4%であり、実に1/4の風俗嬢がストーカー被害に遭ったことがあると回答しています。
風俗嬢がストーカー被害に遭ったとき、危険は高まりやすくなります。
ストーカーは一般社会においても問題とされ、警察の介入が遅れて殺人に発展したというケースもしばしばあります。
もともと解決が困難な問題であるのに、その被害者が風俗嬢ということになれば、警察が動いてくれにくくなったり、メディアなどで大げさに取り上げられて困るといった危険があります。
ストーカー被害に遭った風俗嬢に、複数回答形式で具体的な被害を上げてもらったところ、待ち伏せをされたというのが56.3%、家(家の近く)までついてきたというのが50.0%、しつこく電話がかかってくるというのが21.9%、その他が21.9%となっています。
一般女性に対するストーカーと、風俗嬢に対するストーカーには違いがあります。
一般女性に対するストーカーならば、純粋すぎる恋心からストーカーになってしまうことも多いものです。
しかし、風俗嬢に対するストーカーは客の勘違いと無自覚から生まれやすいものです。
つまり、風俗嬢はあくまでも仕事でセックスをしているのに、客は「セックスもしたのだしお互い好きなはずだ」と勘違いしたり、風俗嬢と客という関係に無自覚になったりするのであり、そこが大きな問題なのです。
また、一般女性ならばしつこくつきまとわれることが主な被害になるでしょうが、風俗嬢の場合には「親にばらすぞ」などと脅されるという被害が多く、風俗嬢であることそのものが弱みとなる危険があるのです。
客から電話がかかってくるというのは、風俗嬢が営業のために自分の携帯番号を教えているケースも含まれます。
お店によってはストーカー被害対策として、携帯番号を教えることを禁じている場合もありますが、それでも営業のために教えてしまいストーカーに発展したならば、風俗嬢はお店に相談しにくくなります。
そして時間が経つうちに、携帯番号をきっかけとして他の個人情報なども調べられるなどの被害に発展することもあります。
ストーカーによって殺人に発展するケースもあるため、風俗嬢はストーカー対策は十分にしておくべきでしょう。
そのためには、独自の対策だけでは限界があるため、お店全体で対策に取り組んでいるようなお店を選ぶのが最も良い方法です。
ストーカー被害によって売れっ子が辞めてしまえばお店の大きな損失になるため、そのような風俗店も多いものです。
例えば、お店名義の携帯電話を貸してくれ、それを営業に使ってよいとするお店がありますし、ストーカー退治を行うお店もあります。
いつも待ち伏せされるというストーカー被害に遭っている女の子を守るため、従業員や他の風俗嬢で被害者の風俗嬢を囲んでお店を出るようにしてストーカーを追い払ったという話もあります。
このようなお店に勤めることができれば、風俗嬢もいくらか安心して働くことができるでしょう。