本稿を読んでいる皆さんがまだ性風俗店での勤務経験がないならば、風俗嬢という仕事はあくまでも腰掛程度のものであり、あまり長く勤める仕事ではないと考えている人も多いことと思います。
では、実際のところ風俗嬢はどれくらいの期間勤務するのでしょうか?
また、風俗嬢が勤務する性風俗店を辞めたとき、結局はまた性風俗業界に戻ってくるケースも多いと言います。
本稿では、風俗嬢の勤務期間と風俗業界での移動傾向などを見ていこうと思います。
8割が1年未満に辞めていく
風俗嬢は、果たしてどのくらいの期間にわたって性風俗業界で働くものなのでしょうか。
風俗嬢に対して、風俗業界でどのくらいの期間働くものなのかを調査したデータがあります。
このデータは、現在働いているお店のみの勤務期間ではなく、性風俗業界に入ってから今に至るまでの継続勤務期間を聞いたものです。
【風俗嬢の性風俗業界での勤務期間】
データによると、1年未満が63.5%、2~4年が30.2%、5~7年が6.3%となっています。
もちろん、7年以上の長きにわたって働き続ける風俗嬢もいることでしょうが、このデータから見るに、そのような長期間働く風俗嬢はかなり少数派・例外的と言えるようです。
データにおける平均継続勤務期間は約1年5ヶ月であり、1年未満の割合は6割以上となりました。
風俗嬢の性風俗業界での勤務期間
さらに、継続勤務月数を年齢別に分けたデータを見ると、また新しいことが分かります。
そのデータが下の表です。
【年齢層別の継続勤務月数】
年齢 | 人数 | 勤務月数 | ||
平均 | 最短 | 最長 | ||
18~23歳 | 76人(60.3%) | 10.9ヶ月 | 1日 | 5年 |
24~29歳 | 42人(33.3%) | 25.6ヶ月 | 3日 | 7年 |
30~39歳 | 8人(6.3%) | 24.4ヶ月 | 4ヶ月 | 5年半 |
このデータによれば、年齢別に見た場合には18~25歳の平均継続期間はその他の年齢層に比べてかなり短く、20代後半のグループと30代のグループは両者とも約2年となっています。
このデータから読み取れることは、若い風俗嬢は他の年齢層よりも平均勤務期間が短い傾向があり、これは他の職種への転職などが比較的容易であるため、風俗嬢を辞めて他の職業に転職することが多いことなどによります。
また、20代後半のグループと30代のグループで平均勤務期間がそれほど変わらないことから、30代だからといって不利とは限らないということも分かります。
通常、性風俗店で働くには若い方が有利であるには違いないのですが、30代や熟女が求められる性風俗店を正しく選ぶことができれば、長期間にわたって勤務することも可能となるのです。
ちなみに、ヘルス系のお店であれば、一般的に風俗嬢の入れ替わりが早いと言われていますが、ヘルス系だけに限ってみれば1年以内に辞めていく風俗嬢は約8割となっています。
風俗嬢はお店からお店へ移動する
しかしながら、1年未満で辞める風俗嬢が6割以上とはいっても、風俗嬢そのものを辞めてしまうということではありません。
性風俗店で働き始めて1年未満の人を集めてこれまでの勤務経験を聞いてみると、初めて風俗嬢になったと答えた人が53.8%に上り、その他はその他の性風俗店で働いたことがある人でした。
これは、働き始めて1年以内に、色々な性風俗店で働くことによって、色々な業種を試してみる人が半分近くいるということになります。
この中では、同じヘルス系での移動が多くなっていますが、非本番系風俗から本番系風俗へと移動する風俗嬢もいるようです。
なぜ働き始めてすぐに他のお店をいくつも移る風俗嬢が多いのかと言えば、一口に非本番系風俗といっても色々な種類があるからです。
ファッションヘルス、デリヘル、イメクラ、ピンサロ、オナクラ、性感マッサージ、SMクラブなど色々な種類があります。
そのため、一度どこかに勤めただけでは自分の適性が分からないため、自分に本当に会う業種を探したり、業種ごとの客層の傾向を探ったりしながら、結局のところ自分が最もよいサービスを提供できるお店はどこなのかを見極めていくのです。
また、風俗店は束縛が厳しくなく辞めやすいため、数ヶ月だけ働いてちょっとお金を作りたいといった希望にも応えてくれることが多いものです。
これも、業種間の移動を容易にさせたり、1年未満で辞める風俗嬢が多くなる理由となっています。
風俗内での移動傾向
ついでに、風俗内での移動傾向を見ておきましょう。
風俗嬢に対して、自分が今までにどのような風俗店で働いていたかを聞いたアンケートがあります。
そのアンケートによると、ヘルス系風俗4業種(ファッションヘルス、イメクラ、性感マッサージ、性感ヘルス)で風俗嬢になった女性が最も多く、業種を変えたことのある風俗嬢でも、ヘルス系風俗の中で移動している傾向があることが分かりました。
データの詳細は以下の通りです。
- 性風俗店では初めて働く・・・43.7%
- ピンクサロン・・・15.9%
- 性感ヘルス・・・15.9%
- 性感マッサージ・・・15.1%
- ファッションヘルス・・・11.1%
- 水商売・・・9.5%
- ソープランド・・・5.6%
- アダルトビデオ・・・5.6%
- セクシーパブ・・・5.6%
- イメージクラブ・・・4.0%
- SMクラブ・・・3.2%
- 本番出張系・・・2.4%
- 非本番出張系・・・1.6%
- その他・・・2.4%
※この調査は1999年のものであり、まだデリバリーヘルスがほとんどなかった時代のものですから、出張系の割合が極端に小さくなっています。