風俗嬢は、どうして風俗嬢になったのでしょうか。
その理由は、これから風俗嬢になる女性の多くが気になる所でしょう。
多くの風俗嬢は、色々な理由から貧困に陥って風俗嬢になっています。
本稿では、風俗嬢に貧困の実態に迫り、貧困から風俗嬢になった女性へのみちしるべとします。
風俗嬢が風俗嬢になる理由
当サイトを見ている皆さんの中には、これから風俗嬢になりたいと考えている女性もいることでしょう。
そのような女性にとって気になるのは(男性にとっても気になるものですが)、風俗嬢はなぜ風俗嬢になったのかということです。
お店では恋人やセックスフレンドでもない男性からお金を受け取ることで性的サービスを行うという、現実離れをした仕事をしている彼女たち。
なにが彼女たちを駆り立てて風俗嬢になったのかということは、興味が湧くのも当然です。
世間から抱かれるイメージとしては、
- 風俗嬢たちは性的なことが好きだからそれを仕事にしているのだ
- 昔よく噂で聞いた通り、風俗嬢は親や夫の借金を背負っているのだ
といったものです。
はたして、風俗嬢たちはこのようなイメージの通りの動機から風俗嬢になったのでしょうか。
それを解説するため、本稿では大多数の風俗嬢の動機、そして特殊な風俗嬢の動機を見ていくこととします。
一般の風俗嬢の動機
まず、風俗業界に関する数字を見ていくこととします。
2013年のデータによると、日本には約1万店舗の性風俗店が存在しており、平均で1店舗当たり30人程度の風俗嬢が在籍しており、その中で中核をなしている(真面目に出勤している)風俗嬢は約12人であると言われています。
この数字から、性風俗店で働く風俗嬢は約30万人もいるということになります。
ここでいう1万店舗の性風俗店とは、風営法の許可のもとに運営している合法店ですから、違法店を加えるともっと多くの風俗嬢がいることになります。
この数字はかなり大きいため、あまりイメージできないかもしれませんね。
イメージしやすいように2016年の人口データから比較対象を挙げるならば、東京都新宿区や中野区が約33万人、三重県四日市市や福岡県久留米市や岩手県盛岡市が約30万人、福島県福島市や兵庫県明石市が約29万人です。
これらの区や市の人口とほとんど同じ人口だけ、風俗嬢が存在することが分かります。
風俗嬢の傾向を大別すると、3種類に分けられます。
この3種類が風俗嬢の大部分を占めるため、彼女たちの事情を知ることで、何が彼女たちを風俗嬢に駆り立てたのかが見えてきます。
シングルマザー
風俗嬢の顕著な傾向として、シングルマザーが多いということがあります。
風俗嬢全体では25%、人妻店の場合にはもっと大きな割合でシングルマザーが働いています。
シングルマザーと風俗業界はかなり密接な関係なのです。
シングルマザーがなぜ風俗嬢になるのかと言えば、ずばり貧困が理由です。
その他の理由として体裁というものもありますが、これも貧困に起因する体裁の悪さをカバーするために風俗嬢になっていることを考えると、根本の原因は貧困であると言ってよいでしょう。
貧困がシングルマザーを風俗嬢に駆り立てているのです。
日本では、離婚率が上昇傾向にあります。
1950年には年間の離婚件数は10万件以下でしたが、2008年には25万件に達しています。
婚姻率は低下傾向にあり、結婚せずに子供を持つ未婚の母も増えています。
友達にシングルマザーがいる人もいるかと思いますが、それはなんら不思議なことではありません。
昔は離婚など簡単にはできなかったことですが、社会の価値観が変化したことによって、近年では比較的簡単に離婚する夫婦が増えたのです。
そして、シングルマザーの貧困は深刻です。
日本のシングルマザーの2人に1人は、家族全員で月10万円以下での暮らしを強いられているのです。
一人暮らしならばいざ知らず、母と子の暮らしで月10万円というのはかなり厳しいと言えます。
東京などの家賃負担が重い地域ならばなおさらです。子どもの医療費を支払えない家庭もあるほどです。
なんとか医療費を支払えたとしても、子どもは年齢と共に学費の負担が大きくなっていますから、状況が変わらなければ将来的にもっとひどい貧困状態に陥ることは明らかです。
だからこそ、必死に婚活に励むシングルマザーもいるのですが、シングルマザーを受け入れてくれる男性はそう多くはありません。
一般の仕事で生活を改善しようと思っても、なかなか難しいことです。
シングルマザーは子どもの事情で遅刻や早退、欠勤が増えるという事情を抱えているため、フルタイムで雇ってもらえないことが非常に多いからです。
子どもを抱えた状態でアルバイトをして、月10万円の生活費を稼ぐのがやっとなのです。
児童扶養手当や生活保護をもらうという手段もありますが、それで満足なお金がもらえるわけではありません。
また、行政の支援によっていくらかの手当てをもらったとしても、色々な困難があります。
まず、収支を厳しく見られるため、ささいな収入(たとえば子どものお年玉など)も計算しなければなりません。
子どものローンを組むこともできません。
そして、多くのシングルマザーが頭を悩ませるのは、受給していることを知られると、子どもがイジメられる可能性があるからです。
子どもというのは残酷なもので、異分子を見つけるとすぐにイジメるものですから、生活保護を受ける家庭の子ども、貧困にあえぐ子どもは十分にイジメの対象になりえます。
これらのことが、シングルマザーを苦しめます。
再婚して生活を安定させる道は厳しく、フルタイムで働くことができず、手当をもらっても充分な収入とはいえず、仮に手当をもらってもそれに伴う色々なデメリットもあるとなれば、シングルマザーに残された道はこの条件の中で多く稼ぐほかありません。
そこで、風俗嬢が一つの選択肢となります。
風俗嬢は時間の融通が利きますから、子どもの都合も考えながら昼間に出勤することができます。
デリヘルなどの無店舗型風俗店ならば子どもが寝た後に働くことも可能です。
ちなみに、同様の理由からキャバ嬢にもシングルマザーがたくさんいます。
もっとも、昼間や深夜帯に働くことが難しいため、風俗嬢のほうがよりよい選択肢となる場合が多いと言えます。
軽度知的障害者・発達障害者・精神障害者
以前、NHKのニュースにおいて、軽度知的障害者や精神障害者が性風俗で働くケースが多いと報道されたことがあります。
発達障害者が風俗嬢になることが多いというのも、よく言われることです。
このような障害を持った女性たちがなぜ風俗嬢になるのかと言えば、これもシングルマザーと同じく貧困が理由です。
軽度知的障害者はどれだけ頑張っても勉強が頭に入らないなどの障害を抱えており、発達障害者はどうしても一般の人ができる作業ができないなどの障害を抱えており、精神障害者は人とのコミュニケーションが困難である理由から、一般社会で働くことができません(障害の症状は多種多様ですから、あくまで一例です)。
もっとも、知的障害や発達障害は先天的なものですが、精神障害は多くが後天的なものです。
風俗嬢として働きながら精神的負担が積もり、精神障害を発症しているという風俗嬢も多いものです。
知的障害者や発達障害者の人生は惨憺たるものとなる可能性をはらんでいます。
知的障害者のように、勉強しても頭に入らなければ、資格の取得などは難しく、高度な知的労働や技術労働に従事することは難しいと言えます。
発達障害者のように人と同じ仕事ができなければ、組織で歯車となって働くことはできません。
特に発達障害者に多いのですが、周りの人間が当たり前にできることをこなせず、怠け者や馬鹿者扱いされて罵倒され、二次障害として精神障害を併発してしまうケースも多々あります。
そして、先天的なものである故に治療は不可能です。
この点、精神障害の場合には医師の指導の下に治療に取り組めば治療が可能ですから、まだ望みがあると言えるでしょう。
障害者が自立するために考えられる道は、障害者手帳を取得して年金を受給すること、障害者雇用で働くことなどが考えられます。
しかし、軽度知的障害では年金を受給できる等級にならない可能性があり、発達障害者もまだ世間一般での認知度が低いことから年金を受給できる可能性は高くありません。
精神障害者も同様です。
また、もし受給できたとしてもそれだけでは生活が厳しいということもあります。
では障害者雇用はどうでしょうか。会社は組織規模に応じて一定数の障害者を雇用することが義務付けられていますが、給与の額は定められていません。
そのため、経済力がない企業が雇用した障害者は、どうしても給料が安くなってしまいます。
経済力がある企業にしても、十分な給料が支払われていることは稀です。
ほとんど、「お情け程度」の取り組みです。
私が知っている最低のケースは、工場勤務で時給150円というものです。
障害者福祉には、このようなごまかしに満ちています。
年金の受給が難しく、障害者雇用では自立できないとなれば、彼女たちに残された道が風俗嬢となるのも仕方のない話です。
キャバ嬢などは、コミュニケーション能力が高くなければ働けないため、不可能である場合がほとんどでしょう。
しかし、風俗嬢ならば、難しいことはあまり考えずにルーティーンで仕事をこなしていくこともできます。
障害者が風俗嬢になっていると聞けば酷い話だと怒る健常者は多いでしょうが、社会が救いの手を差し伸べなかったり、お情け程度の支援をしている状況が原因なのですから、怒るのは間違いでしょう。
もし風俗業界が障害者を受け入れなくなってしまえば、路頭に迷う障害者が続出するのです。
ちなみに、B級雑誌やフェミニストの発言を見ると、障害者が風俗に売り飛ばされているというようなことを目にすることがあります。
これも全くのゼロではないでしょうが、このような非合法的・人身売買的なケースは非常にまれなケースであり、風俗業界=悪としてしまうのは間違いです。
満足に稼げない若年層
次に挙げられるのは、満足に稼げない若年層です。
これは、学校を出て一旦は社会に出たものの満足に稼ぐことができず、もっと稼がなければ生活できないことから風俗嬢になるというものです。
風俗嬢の最終学歴を見てみると、高卒は40%、高校中退は12%、中卒が18%であり、全体の70%が高卒以下であることが分かります。
その他は大学や専門学校卒業という経歴です。
バブルの時代ならいざ知らず、不景気な昨今、高卒の女性が正社員で働き、満足な収入を得るというのは非常に困難なことです。
派遣社員になったり、フリーターになったりしているケースが多く、複数のアルバイトを掛け持ちしてなんとか生活している女性もたくさんいます。
そのような女性が安い時給で毎日毎日働くことに疲れたとき、風俗嬢という選択肢が出てきます。
典型的なケースでは、もっと割のいい仕事はないかとインターネットで「高収入バイト 女性」などのキーワードで調べたところ、風俗の求人にたどり着くというものです。
同様のルートでキャバ嬢になる女性もたくさんいます。
このように社会に疲れ、将来に希望がない若い女性たちが、短時間で高収入を得ようとして風俗嬢になるのは想像に難くありません。
ましてや、風俗嬢というのは若さが売りになる仕事であり、年を取ってしまえば難しくなる仕事です。
20歳前後の焦りを感じている女性が、「風俗嬢で稼ぐなら今だ!」と考えて風俗嬢になるのは、ある意味合理的な判断であると言えます。
問題が絡み合っている
以上、3種類の傾向を紹介してきましたが、これらの問題は「シングルマザーだから風俗嬢」、「知的障害者だから風俗嬢」、「低学歴だから風俗嬢」というような単体のものではありません。そうではなく、これらの3種類が絡み合って風俗嬢を生み出しているのです。
例えば、以下のようなケースです。
- シングルマザーの元に育った子供が、母親の負担を考えて高校卒業と同時に働き出し、しかし満足に稼げずに生活苦に陥って風俗嬢になる
- 高校を卒業してすぐに結婚したが、離婚してシングルマザーになり、生活苦から風俗嬢になる
- 知的障害や発達障害を抱えた人が、大学に進学できずに障害者雇用で働き始めたものの、それだけではほとんど稼げずに風俗嬢になる
などといった感じです。
このように、複合的に絡み合って風俗嬢が生み出されているのです。
特殊な風俗嬢の動機
以上のように、風俗嬢の多くは貧困を背景として風俗嬢になっているのですが、中にはそれ以外の動機から風俗嬢になる女性もいます。
風俗嬢のステレオタイプは次第に崩れてきており、貧困に陥っているわけではない女性たちが、風俗業界に参入してきているのです。
例えば、以下のような動機から風俗嬢になっています。
- 好奇心旺盛な女性が、留学や海外旅行の資金を貯めるために風俗嬢になる
- 将来的にお店を開きたいと考える女性が、資金集めのために風俗嬢になる
- 目標にしていた職業についたものの給料が少なく、しかしその仕事を続けたいために副業として風俗嬢になる
- 大学に通うための学費を稼ぐために風俗嬢になる
これを見れば、貧困という後ろ向きの動機で風俗嬢になっていることに比べ、何か成し遂げたいことややりたいことがあって前向きな動機で風俗嬢になっているということです。
「難関大学の生徒が弁護士を目指して大学に通うも、学費が高いためソープで働いている」、「昔から夢であったCAになったものの、給料が安すぎる。しかしCAを続けたいため高級デリヘルで働いている」などが具体的な例です。
このような風俗嬢は、他に本業(あるいは学業)を持ったうえで片手間に風俗嬢をやっていたり、他の目標のために一時の仕事として風俗嬢をやっていたりするため、そこまでどっぷりと風俗業界に浸かっていません。
つまり、貧困を動機としてどっぷりと風俗業界に浸かった風俗嬢に比べると、業界擦れしていない、素人っぽい女性が多いのです。
また、昼間にきちんとした仕事をしていること、あるいは大学で勉強していること、将来のための準備をしていることなどから、一般常識や良識を備えていることがほとんどです。
そのほかにも、明確な目標があることから前向きであり、貧困に陥っていないことから心に余裕があり、常識や良識を持っており、良識あるからこそ清潔感もあり、人によっては学もあるといったことが特徴です。
貧困を理由に風俗嬢になる女性と、それ以外のことを動機に風俗嬢になる女性とでは、以上のように色々な差があります。
言うまでもなく、後者の方が魅力的であると感じることでしょう。
それは、貧困に陥っていないことから、心に余裕があるということが大きいのだと思います。
例えば、私生活の差を見ればそのことがよく分かります。
貧困に陥っている人は前向きな姿勢になれず、悩みも多く、休日はふさぎこんでしまうということも多いと思います。
これでは人間的成長のための時間を使うことはできず、仕事にもプラスになることはないでしょう。
しかし、貧困ではない風俗嬢は、休日には勉強に励んだり、自分磨きに時間を使ったりといった建設的な時間の使い方をすることが多いようです。
そのことによって人間的成長もあり、さらに魅力的な女性となって指名を伸ばしていくこともできるのです。
まとめ
この記事は、多くの風俗嬢の実態を知って同情を寄せようとして書いたのではありません。
この事実から学ぶために書いたのです。
当サイトを見ている女性の中にも、貧困に陥っている女性は多いと思います。
貧困だからこそ風俗嬢という高収入の仕事に興味を持ち、当サイトにたどり着いたのでしょう。
今の時代、多くの人が貧困にあえいでいます。
この事実はいかんともしがたく、社会に頼らずにどれだけ自分でやれるか、ということを考えざるを得ません。
だからこそ、貧困を動機に風俗嬢になることはなんら悪いことではありませんし、むしろ自ら人生を切り拓く立派な姿勢だと言えます。
しかし、貧困によって風俗嬢になったとしても、貧困からの脱出だけを考えるのではいけません。
最初は「最低○万円あればそこそこ生活できる」ということを目標にするかもしれませんが、それでは「そこそこ」稼げた後に意義を見失い、「そこそこ」のお金のためだけに働くことになり、「そこそこ」以上のお金を稼げなくなってしまいます。
また、向上心がなく惰性に流されて仕事をしているのであれば、お客さんが離れて行ってしまうかもしれません。
貧困を理由に風俗嬢になったとしても、向上心を持って働くことが大切です。
そうすれば想像以上のお金を稼ぐことができ、思ってもいなかった方向へと人生が拓けてくる可能性も出てくるのです。