風俗と言う場所は、言うまでもなくエッチなことをする場所です。
非本番系風俗ではオーラルセックスを、本番系風俗では本番行為をします。
そのような行為をするにあたり、お客さんから風俗嬢へ、あるいは風俗嬢からお客さんへと性病が移る可能性があります。
風俗嬢としては、性病にどのような対策をするべきなのでしょうか?
また、風俗店は性病に対して、どのような対策をしているのでしょうか?
風俗嬢と性病
風俗嬢になるにあたって、どうしても気になるのが性病に関することでしょう。
ほとんどの風俗では本番が禁止されているとはいえ、オーラルセックスでも性病が移ることは十分に考えられることです。
風俗嬢がいくら注意していたとしても、お客さんの中に性病をもった人がいれば、性病に感染する可能性を避けることはできないのです。
これは、昔も今も変わらないことです。
江戸時代の遊女が梅毒に感染している確率は非常に高く、遊女と遊んだ男性に梅毒が移り、それが一般女性に移っていくことで、梅毒は一つの社会問題になっていたともいわれています。
後には抗生物質が開発され、医療も進化していったことで、梅毒や淋病といった性病は今ではほとんど聞かないほどに沈静化しました。
以前は梅毒、淋病、軟性下疳、鼠経リンパ肉下種の四つが「四大性病」とされていましたが、今では梅毒と淋病はほとんど耳にすることが無くなっています。
クラミジアとHIV
しかし、それに代わってよく聞かれるようになった性病があります。
それは、クラミジアやHIVといったものです。
クラミジアは病原菌の名前であり、感染した箇所に炎症を引き起こす性病です。
男性の場合は主に尿路に症状が現れますが、クラミジアに感染した男性器を口にすることで、女性の喉にも感染することがあります。
感染すると、炎症によって強いかゆみを引き起こし、男性器の場合は尿道から膿が出てくることもあります。
この膿によって、女性の喉や性器に感染することがあるのです。
HIVの名前は皆さんも聞いたことがあるでしょうが、いわゆるエイズのことです。
現時点ではまだ決定的な治療法がなく、感染すれば免疫不全に陥り、単なる風邪によって命を落とすこともある恐ろしい病気です。
クラミジアにしろ、HIVにしろ、性行為を通じて感染するものです。
クラミジアは感染しても症状が出にくかったり、大した症状が出なかったりすることによって、感染を自覚することが遅く、治療を開始するまでにほかの人に移してしまうという問題があります。
クラミジアに感染していると、たとえかゆみなどの自覚症状が出ていなかったとしても必ず炎症は起きており、他人に移してしまうことになるのです。
また、その炎症が原因で、他の性病に感染する確率が高まってしまうという問題もあります。
クラミジアに感染した場合、男性ならば尿道から膿がでることで、かゆみがなくとも自覚することができます。
しかし、女性の場合はこのような自覚症状があまり出ません。
したがって、風俗嬢として働く女性は、コンドームを使うことで感染を防ぐように努力するほか、定期的に検査を受けることが重要です。
クラミジアは治療が簡単な性病であり、薬を一回飲めば完治する薬もあります。
薬価も安く、治療が簡単なのです。
疑いがなくとも、毎日お客さんを相手にしている風俗嬢はいつ感染するかわからないため、定期的な検査を受ける必要があるでしょう。
次に、性病の中でも最も恐ろしいとされているのがHIVです。
ある病院では、受信する風俗嬢のうち、毎月平均して一人はHIVの感染が発覚しているといいます。
しかし、医者の話によると、HIVが恐ろしいのは完治させることが無いことであって、現代の医療では完治はせずとも進行を完全に防いでしまうことはできるそうです。
早期に発見して投薬をすれば、エイズが発症しないようにコントロールすることも可能ですから、そのような対処さえできれば、それほど恐ろしい病気ではなくなります。
この意味からも、風俗嬢は定期的に検査を受けて早期発見に努めることが重要です。
HIVよりも恐ろしい性病
このように、HIVは早期に発見しさえすれば恐れるに足らない性病です。
それ以上に恐ろしいのは、B型肝炎ウイルスです。
B型肝炎ウイルスも性病によって感染するものですが、これが慢性化すると肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。
また、急性肝炎を引き起こせば、死に至ることもあるのです。
効果的な薬もありますが、高価なうえに発症を完全に防ぐことができず、発症すれば致死率も高いため、HIVよりもずっと恐ろしいのです。
HIVが脅威であるということがあまりにも喧伝された結果、HIVの陰にB型肝炎ウイルスが隠れてしまっています。
しかし、このようにB型肝炎ウイルスは恐ろしい病気です。
かつて、B型肝炎ウイルスなどのウイルス性肝炎というものは、輸血による感染や母子感染によるものとされていたのですが、今や恐ろしい性病として知られるようになってきています。
ちなみに、梅毒や淋病といった性病も、上述の通り一時期はかなり減少したのですが、最近再び増加傾向にあります。
多くのお店における性病対策
ここまで、性病対策のためには風俗嬢が定期的な検査を受けることが重要であると書いてきました。
これを読んだ女性の中には、「お店の方でなにか対策をしてくれないの?」と思うかもしれません。
お店も、まったく対策をしていないわけではありません。
ソープランド、ファッションヘルス、デリヘル、ピンサロなど、性風俗店のほとんどは風俗嬢に対して定期的な性病検査を義務付けています。
検査の方法としては、風俗嬢が自分で婦人科に出向いて、尿検査や血液検査、粘膜検査などを受け、診断書をもらい、それをお店に提出するというものです。
婦人科では、梅毒、淋病、クラミジア、肝炎、HIVなどをまとめて検査することができますが、一万円程度の検査料がかかりますが、診断書によって性病ではないことを証明しないと働けないので、すべての風俗嬢が検査を受けることになります。
このほかの方法としては、簡易検査キットを購入し、のどの粘膜を綿棒で採ったり、指先から採血したりしたものを検査機関に送って診断してもらう方法もあります。
この方法では、お店が検査キットを大量に購入しておき、採取した全員分のキットをまとめて検査機関に送るのが普通で、風俗嬢が独自に検査キットを購入することはありません。
しかし、キット代金をお店が風俗嬢から徴収するのが普通であるため、無料で診断できるというわけではありません。
これらの検査の結果、何らかの感染が見つかった場合には、その風俗嬢は出勤することを禁じられて、病院から完治証明書をもらうまでは仕事をすることができなくなります。
また、ソープランドでは本番が前提となっており、かつてはコンドームをつけずに生本番をするのが普通でした。
しかし、エイズの流行が騒がれ始めたことで、1980年代からはコンドームの着用を義務付けるお店が急速に増えました。
ヘルスではコンドームをつけない状態のまま素股をしますが、その場合にはローションをたっぷりとつけ男性器と女性器の間にローションの膜を作ることで性病への感染率を下げるという対策がとられています。
このように、多くの風俗店は性病対策に熱心です。
しかし、中には性病対策をほとんど行わないお店もあります。
実際、風俗嬢のインタビューの中でも、これまで性病検査を一度も受けたことがない、つまりお店が風俗嬢に対して性病検査を義務づけていないという風俗嬢に出逢うことがあります。
お店が性病検査を義務付けておらず、診断書の提出も求めていないのです。
そのようなお店では、風俗嬢が性病に感染していたとしても気づくことができません。
そのお店を利用したお客さんが性病を移され、他のお店で遊んだ際にそのお店の風俗嬢に移り・・・という流れで、性病が広がってしまう可能性があります。
したがって、もしこれから風俗嬢になる女性は、お店から検査を義務付けられなかったとしても、きちんと検査を受けなければなりません。
コンドームを積極的に使う
世界的に見ても特殊なのですが、日本の性風俗では、ナマ信仰が根強いという特徴があります。
デリヘルなどでは、フェラの際にはナマでフェラをするのが当たり前です。
ソープでも、挿入の際にはコンドームをつけますが、フェラはやはりナマです。
また、ソープはお店にソープ嬢が所属しているのではなく、お店がプレイルームを貸し出すことでソープ嬢が個人事業を営んでいるという形で営業されています。
したがって、働き方は基本的にソープ嬢に任されており、挿入の際にも自由意志でコンドームをつけるか、ナマで入れるかを選ぶことになっています。
したがって、ナマで入れられるソープ嬢というものが存在し、そのソープ嬢にお客さんが集中することになります。
すると、他のソープ嬢がお客さんを取りづらくなり、ナマを解禁するという悪循環が生まれ、ソープ業界で全体的に性病リスクが高まるという現象が起きています。
また、本番系のデリヘルにおいても、ナマでセックスをすることが主流となっているお店が実在します。
当然のことながら、ナマでセックスをすれば、それだけ性病のリスクは上がってしまいます。
お客さんから風俗嬢に、風俗嬢からお客さんたちにと移っていく可能性が高いのですが、お客さんの性病検査受診率はかなり低く、お客さんから一般女性から他の風俗嬢に感染していくことが十分に考えられます。
風俗嬢としては、フェラにしろ挿入にしろ、コンドームを着用することで、性病への感染率はかなり低くすることができます。
しかし、ナマフェラが主流の中で、自分だけゴムフェラをするわけにはいかず、性病リスクをゼロにすることは極めて難しいのが現状です。
したがって、風俗嬢として働く以上、性病の可能性を完全に排除することは不可能です。
しかし、可能な範囲内だけでもコンドームを利用することで、感染はかなり防ぐことができるようになります。
また、繰り返しになりますが、お店が義務付けていなくとも、性病の検査を受けることによって、早期発見が可能となります。
もし性病であることに気づかず、お客さんに移してしまうと、お客さんの口コミで「あの子から性病を移された」と広まり、指名が減ることにも繋がります。
そうならないように、性病に対する意識を高く持って、対策を怠らないようにすることが大切です。