様々な仕事において、前借り制度を実施している会社は少なくありません。
風俗店でも、前借りを可能としているお店があります。
前借りのことを、風俗店では特に「バンス」と言います。
早急にお金が必要な風俗嬢も多いため、前借りができることを強調して求人しているお店もあります。
特に、風俗嬢として働き始めたばかりの時に、前借りが必要となる女性は多いと思います。
しかし、お店から前借りすることを、なんとなく怖いと感じてしまう人もいるでしょう。
風俗店の前借り制度は、実際にはどのようなものなのでしょうか。
前借りできる額
まず、風俗店の前借り制度では、どのくらいの前借りが可能なのでしょうか。
筆者が以前インタビューしたとき、あるベテラン風俗嬢は、
最高でも20万円くらいしか見たことないですね。
お店に入ってすぐに借りる子もいますし、在籍中に借りる子もいます。
前借りの時には借用書を書いて、バックの一部を引いて返済していくみたいです。
もちろん、これはお店によって異なるでしょうし、売上が大きいお店や、風俗嬢を大切にしてくれる高級店などでは、借りられる額は大きくなるかもしれません。
また、アルバイトとしてたまに出勤する風俗嬢と、レギュラーで出勤する風俗嬢とでは、後者の方がきちんと返済できる可能性も高いため、借りられる額は大きくなると思います。
基本的にお金の貸し借りは信用をもとに行なわれるものですから、入店してすぐのタイミングでは、借りられる額は小さくなると思います。
多くみられるのは、5万円くらいという意見です。
それだけあれば、滞納していて止められそう光熱費や電話代などは何とか支払うことができ、あとは働いて日給を稼いでいけば、何とかなるからだと思います。
また、入店と同時に前借りできるとしても、面接当日は体験入店することになると思います。
例えば、体験入店で2万5000円稼ぎ、2万5000円をお店から貸して、5万円を持って帰れるようにするのです。
これが、新人が前借りできる額の相場です。
多額は借りられない
インタビューの通り、20万円くらいというのが相場だと思います。
それ以上借りられるとしても、20万円から大きく増えることはないでしょう。
なぜならば、風俗店での前借りは、お店から風俗嬢に貸し与えるのではなく、店長が個人的に貸しており、店長個人であまり多額を貸すのは難しいからです。
普通の会社で前借りするときは、会社からの給料を前借りすることになるのですが、風俗店ではお店から貸すことはありません。
なぜ、普通の会社のように、お店から貸してくれないのでしょうか。
それは、風俗という特殊な業種では、お店からお金を貸してしまうと、その借金によって風俗嬢を縛り、体を売らせることにつながる可能性があるからです。
国は管理売春を禁止しているため、法律に抵触しないよう、お店からは貸さないのです。
しかし、店長からお金を貸したとしても、店長が「お金を貸しているのだから、ちゃんと働いて返してね」ということができるのですから、やはり管理売春につながる可能性は多々あります。
だからこそ、「バンスしているお店には近づかないです」という風俗嬢もいます。
また、前借りができるお店では、それに頼ることで、借りては働いて返し、また借りてはまた働いて返しを繰り返す、お金にだらしない女性が多い傾向があります。
そのようなお店で働くと、同僚の風俗嬢から「お金を貸してくれない?」などと言われることも多いようです。
前借りを認めているお店では、このような傾向があることを知り、求人広告を見る際の参考にしてください。
どうしてもお金が必要になったら?
では、お店から前借りはしたくない、しかしお金は必要な場合にはどうすればよいのでしょうか。
そのような場合は、風俗店以外からお金を借りることを考えるのが良いでしょう。
もちろん、闇金などは使ってはいけません。
しかし、5~10万円といった、風俗店のバンスくらいの金額であれば、クレジットカードのキャッシング枠などを利用することで、簡単に借りられると思います。
キャッシング機能付きのクレジットカードは、フリーターでも簡単に作れますから、ここから借りるのが最も現実的で、安全でしょう。
それもできないほど緊急ならば、お店に相談して借りるという選択も必要になってくるかもしれません。
その場合には、借用書の内容をきちんと確認し、何日の出勤で返すかなどを確認しておきましょう。
実際に前借り経験がある風俗嬢の話では、5万円程度を借り、翌日の出勤で完済したという話をいくつも聞いたことがありますから、前借りが全て悪いとも言えないようです。
消費者金融などでは「ご利用は計画的に」がうたい文句となっていますが、風俗店で前借りするならば、より計画的に考える必要があります。
前借りしなくても良い方法を色々考え、どうしてもだめな場合にだけ頼り、計画的に返済できる内容で前借りをすることが大切なのです。
まとめ
風俗店の前借り制度は、法律的にはグレーな行為であるため、できるだけ利用しないに越したことはありません。
色々な方法を考えてみて、その上でどうしても必要な場合にだけ、利用することを考え、計画的に返済していくことが大切です。
そして、前借りを利用したところたくさんの出勤を求められたり、借りているよりもずっと多い額をピンハネされたりするようであれば、警察などに相談することも考えましょう(もっとも、風俗業界に対して風あたりが強い昨今では、そのようなことはほとんどありませんから、過剰に心配する必要はありません)。