新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、政府は先日、飲食業などに対して営業時間の短縮要請を出しました。
濃厚接触を伴う風俗業も例外ではありません。政府の要請がなくとも、お客さんは風俗店の利用を控えるようになっていますが、自粛要請によって客足はさらに遠のいています。
政府は、経営が厳しい中小企業や個人事業主への支援策として、持続化給付金による補助を発表しています。
そこで気になるのが、個人事業主やフリーランスとみなされる風俗嬢も、持続化給付金を受け取れるかどうかです。
この記事では、風俗嬢が持続化給付金をもらえない理由と、もらえるお金について解説していきます。
歓楽街は閑古鳥
新型コロナウイルスは拡大の一途を辿っており、消費は急速に縮小しています。
これにより、サービス業全般に大きな被害が出ています。
感染防止のために外出を自粛する人が増え、サービス業の売上が急減しているのです。
また、4月に入ってから、政府は緊急事態宣言を発令しました。
これにより、飲食店などに営業時間の短縮要請が出され、経営がさらに圧迫されています。
風俗業も例外ではありません。
むしろ、風俗業は新型コロナウイルスの影響が特に大きい業種といえます。
風俗のサービスは濃厚接触の最たるものです。
感染を防ぐために、お客さんの大部分が風俗の利用を控えています。
お店の営業自体が困難な状況ですから、都市部の風俗店の経営は非常に厳しく、店舗や事務所の家賃を支払えずに経営が立ち行かなくなるお店も少なくないはずです。
これは、風俗嬢の生活にも大きな打撃となります。
風俗の仕事は、ごく一部を除いて完全出来高制であり、接客することではじめて給料が発生します。
お店を開くことができない、開いてもお客さんが来ない状況では、風俗嬢は全く稼げなくなってしまうのです。
持続化給付金って?
政府は、経営難に陥った中小企業や個人事業主を支援するために、持続化給付金の交付を発表しています。
持続化給付金とは、新型コロナウイルスの影響によって売上が急減した事業者を資金的に援助するものです。
収入が激減しているのですから、風俗嬢も「持続化給付金を受給したい!」と思うはずです。
風俗嬢の雇用形態
風俗嬢の雇用形態は特殊です。ほとんどのお店で、業務委託契約によって雇用しています。
業務委託によって働いている風俗嬢は、フリーランスとみなされる可能性があります。
特に、ソープランドでは、ソープ嬢を雇用しているのではなく、「プレイルームをソープ嬢に貸しているだけ」という建前で営業しています。
これは、お店がソープ嬢を雇用してソープのサービス(本番ありのサービス)を提供すると、売春防止法に引っかかって営業できなくなるためです。
このため、ソープ嬢は個人事業主として働いていることになります。
法的に見ても、業務委託契約によって働く多くの風俗嬢がフリーランスに該当する可能性があり、とりわけソープ嬢は個人事業主として働いているのです。
さらに、新型コロナウイルスによって接客が難しくなった今、月収が普段の半分以下になっている風俗嬢も多いです。
したがって風俗嬢は、
- フリーランスや個人事業主として働いている
- 売上が50%以上減少している
というふたつの点で、最大100万円の持続化給付金を受給する要件を満たしています。
それでも受給できない理由
普通ならば、この要件を満たしていれば持続化給付金をもらえるのですが、残念ながら風俗嬢は受給できません。
風俗嬢が職業差別されているからではありません。もらえない理由はもっと別のところ、すなわち「確定申告をしているかどうか」にあります。
全ての事業者は、毎年一回、確定申告をすることが義務付けられています。
確定申告とは、売上や経費を集計して利益を算出し、利益に応じて税金を支払う仕組みです。
制度的には、風俗嬢も確定申告をしなければなりません。
しかし、ほとんどの風俗嬢は確定申告をしていないと思います。
日本の法律は風俗業に対して曖昧ですから、確定申告をしなくても問題になりません。
このため、真面目に確定申告して納税するよりも、確定申告せずに納税もしない風俗嬢がほとんどです。
持続化給付金をもらえない最大の理由は、確定申告をしていないためです。
すでに書いた通り、持続化給付金をもらう条件のひとつは、前年同月比の売上が50%以上減っていることです。
これを証明できる事業者だけが、持続化給付金を受給できます。
風俗嬢は、確定申告をしていないため、売上がどれだけ減ったかを示す資料がありません。
実際に売上が50%以上減っていても、それを証明できないため、持続化給付金をもらえないのです。
今から確定申告は絶対NG!
確定申告をしている風俗嬢であれば、持続化給付金をもらえるかもしれません。
決められた時期に確定申告をしなかった事業者は、遅れてでも確定申告をしなければならない仕組みです。
このため、今まで確定申告をしていなかった風俗嬢も、去年分の確定申告を今から提出することで収支を証明できれば、持続化給付金をもらえる可能性があります。
しかし、この方法は絶対にやめましょう。
まず、確定申告によって過去の収支を申告すれば、納税を求められるため、まとまった支払いが発生します。
また、決められた通りに確定申告して納税した人よりも遅れて確定申告・納税するため、ペナルティを受けることになります。
普通に納税するよりも、金額がかなり大きくなってしまうこともあります。
去年の分だけ申告して、100万円の持続化給付金を受給できれば、税金を差し引いても手元に数十万円のお金が残るかもしれません。
しかし、去年の確定申告を提出すれば、税務署が数年間にさかのぼって追求してくるはずです。
税務署は風俗嬢の確定申告に対して、曖昧にせざるを得ないから曖昧にしているだけです。
風俗嬢が確定申告すれば曖昧にはできなくなり、税務署の姿勢は「曖昧にせざるを得ない」から「追求せざるを得ない」へと変わってしまう可能性が高いのです。
そうなれば、数年分の納税を求められ、持続化給付金の100万円ではカバーできない可能性が高いです。
ですから、持続化給付金がほしいからといって、過去の確定申告をするのはやめましょう。
まとめ
この記事で説明したとおり、風俗嬢は持続化給付金をもらうことができません。
フリーランス・個人事業主ならば100万円もらえるかもしれないので、気になっていた人も多いと思いますが、確定申告をしていない風俗嬢はもらえません。
生活が苦しい風俗嬢は、もらえないお金は諦めて、もらえるお金をもらうことを考えましょう。
※風俗嬢でももらえるかもしれない休業補償について、詳しくはこちら
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