風俗店の中には、本番アリのお店もあります。
ソープランドならば合法的に本番行為を行なっていますし、デリヘルなどでも本番行為を行う風俗嬢は増えてきているほか、違法店も多いものです。
風俗嬢の中には、あえて本番アリのお店を選ぶ風俗嬢もいます。
本番はお店にとって摘発リスクがあり、風俗嬢にとっても体の負担があるにもかかわらず、なぜあえて本番店を選ぶのでしょうか。
本稿では、あえて本番店で働く風俗嬢を紹介し、その理由に迫っていきます。
借金を理由に風俗嬢になったM
本稿で紹介する女性Mは、十年以上前に風俗嬢として働いていました。
最近もお金に困った時にスポットで働くことがあるそうです。
彼女はなぜ風俗嬢になったかと言えば、借金が理由でした。
20代に入って一人暮らしを始めたばかりのこと、エステの悪徳商法に引っかかって50万円の借金を負ってしまったのです。
アルバイトで生計を立てていた彼女は焦りました。
借金を早く消してしまいたいと思い、高収入アルバイトを探していたところ、新聞の折り込みチラシでフロアレディ募集の広告を見つけました。
新聞の折り込みチラシだし、飲み屋か何かだろうと思いました。
さらに「お酒が飲めなくても大丈夫」と書かれており、時給は5000円であったため、ラクしてこの時給はすごいと思った彼女は、すぐに応募することにしました。
まだ世間知らずだったのです。
しかし、実際に行ってみると飲み屋ではなくピンサロでした。
当時の彼女は男性経験は一回しかなかったため、いきなりピンサロで働くことに戸惑いを感じました。
シャワーも浴びていない男性の性器を舐めたりしなければならないのです。
しかし、ルックスが良く新人ということもあり、写真指名が付きっぱなしになり、一日で6万円も稼ぐことができました。
しかし、あまりにも慣れない働き方に嫌気がさし、初日だけで店を辞めました。
とはいえ、我慢すれば大金を稼げるという体験を得た彼女は、別の風俗店を探すことにしました。
次に務めたのは普通の店舗型ヘルスでした。
店舗型ヘルスにはシャワーがあるため、衛生面はとりあえず大丈夫です。
ピンサロに比べればはるかにマシでした。
このお店で彼女は成功を収めています。
指名をたくさん取るためにメディアにも出演しました。
彼女が働いていたころは、まだ風俗業界に対する風当たりがそれほど強くなかったため、深夜番組で風俗のコーナーなどがあったものです。
彼女はそのような番組で出演し、ファンもたくさん付きました。
今の時代、メディアや雑誌に登場して顔をさらす風俗嬢は少なくなっています。
彼女が働いていたころの風俗と言えば店舗型が大半であったため、簡単に入ろうとする女性は少なく、それだけに覚悟をもって業界に入った風俗嬢のなかには顔をさらすことをいとわない女性も多かったのです。
しかし、無店舗型の風俗が大半を占めるようになると、普通の女性が風俗嬢になるケースが急増し、そのような女性は顔をさらすことを嫌います。
これが、顔をさらす風俗嬢が減っている理由です。
色々な風俗で働く
彼女は顔をさらしながら精力的に活動していましたが、次第に風俗嬢であることが友人や知人に知られるところとなり、顔が知られていない東京へ逃げることになります。
このほか、AV女優になりたいと考えていたことも理由の一つでした。
彼女が活動していた当時、AV女優になる女性は増え始めていたものの、まだ多くはありませんでした。
しかし、AVに対して「キレイな女性が着飾って綺麗に撮ってもらえる」というイメージを持っていたため、風俗嬢よりもAV女優として働きたいという希望があったのです。
しかし、当時のAV業界はまだ今ほど一般女性に対して広く門戸が開かれてはいませんでした。
社会的に見ても、今のようにAV女優がバラエティ番組をにぎわすような状況ではなく、彼女もAV業界に対する知識をほとんど持っていませんでした。
結局、AV女優になるためのルートを知らなかったためにAV女優になる方法が分からず、AV女優になることを断念してイメクラで働くことになりました。
彼女が働いたイメクラはかなり本格的な有名店でした。
こだわったプレイルームを設けているイメクラであり、公園の部屋、監禁の部屋、電車の部屋、オフィスの部屋などが儲けてあり、お客さんの妄想を具現化するイメクラとしてはかなり上級のお店でした。
公園の部屋など、ベンチや草むら、実際に買える自動販売機まで備えてあり、かなりリアルなプレイを楽しむことができるのです。
このイメクラでも人気者になった彼女は、1日で10万円ほどの稼ぎを得ていました。
ちなみに、このようなセットを店内に設置しているイメクラは全国に数件ありましたが、今ではその全てが閉店しています。
店舗型風俗への摘発が強化された結果、セットを設ける必要がありどうしても店舗型でなければならなかったイメクラは、ほとんど姿を消してしまったのです。
現在はイメクラも派遣型ばかりであり、お店のコンセプト(例えば学園がコンセプトならば風俗嬢が制服を着ている)に合わせて風俗嬢がコスプレなどし、ホテルでイメージプレイを楽しむというものになっています。
その後は人妻ヘルスで働き、ソープ嬢に落ち着きました。
なぜ彼女は最後にソープランドを選んだのでしょうか。
ソープランドは本番行為を行うことが前提となっており、風俗嬢自身の体の負担も大きいものです。
それでも選んだ理由は、お金のこと以外に色々な理由がありました。
あえて本番アリのお店を選んだ理由
彼女がソープランドを選んだ理由は、全ての風俗嬢の参考になりますので、詳しく見ていきましょう。
衛生的である
彼女は、風俗嬢になる前に臨床検査技師の専門学校に通っていました。
その時の知識から非常に正確な衛生観念を持っており、彼女の衛生観念に照らしたときに、ソープランドが最も衛生的であるとの理由から、ソープランドを選びました。
ヘルスやピンサロといった非本番系の風俗では、男性器を直接くわえたり、素股をしたりすることになります。
一方、ソープならば直接くわえることはあるものの、本番時には必ずゴムをします。
このことから、もしお客さんが性病を持っていた場合、やはりソープランドが最も安全なのです。
直接口でくわえることには変わりませんが、唾液は洗浄力が強く、細菌などもかなり殺してしまう力があります。
そのため、お客さんが性病を持っていた場合にも唾液によって感染を防げる可能性が高いのです。
健康体であれば、病気にかかることも少なくなります。
しかし、ヘルスにおける素股はゴムを付けずに局部と局部をすり合わせることになるため、お客さんが性病を持っている場合には感染の危険性があります。
ソープならばゴムを付け、そもそも素股などをする必要もないため、安全性が高いのです。
このことから、彼女はゴムの装着を徹底している本番店で働いた方が性病感染リスクが低いと考え、ソープランドで働くことにしたのです。
稼ぎが多い
稼ぎが多いのももちろん理由のひとつです。
彼女が勤めたお店は、吉原の3~4万円のお店でした。
ヘルスならば報酬は折半かそれより少なくなることもありますが、ソープでは6割以上もらえるお店も多いため、やはり稼ぎが多くなるのです。
講習がきちんとしている
吉原などのきちんとしたソープランドならば、講習などもしっかりとしているお店が多く、働き始めるための不安が少ないというのもポイントです。
男性従業員ではなくお店の先輩が講習をしてくれることも多く、ボディ洗い、潜望鏡、マットプレイなどもきちんと教えてもらうことができます。
1日3~4時間をかけ、3日間くらい講習を受けることで、その間はお客さんにつくこともないため、しっかりとした技術を身に着けることができます。
もっとも、お店によっては先輩から講習を受ける場合には、先輩に授業料を支払わなければならないお店が大半です。
主導権を掴んでサービスができる
ソープは、初心者にはプレイの流れをつかむのが難しいものです。
その点、ヘルスではお客さんに体を任せることができるため、流れをつかむ必要はあまりありません。
ソープ嬢自身が流れを掴まなければならないということは、ソープ嬢が主導権を握るということでもあります。
慣れるまでは難しいですが、流れの掴み方も講習で教えてもらえますし、お客さんの体をどうすれば腰を浮かしてくれるかなどの細かいワザも使いながらプレイを進めて行きます。
これによって、単にお客さんにいいようにされてしまうだけではなく、主体的に働くことができ、働く上での工夫もしやすいのです。
本番前提による効用
ソープランドは、ヘルスとは異なり本番行為が前提となっています。
ヘルスで働く風俗嬢の悩みに「お客さんがしつこく本番をしたいと言ってくること」が挙げられますが、それはヘルスでは本番ができないことから発生する要求にほかなりません。
本番を断ることにストレスを感じたり、レイプ被害に遭ったりして心を傷つけられてしまう風俗嬢は多いものです。
無理に断ろうとすれば「ちょっとだけ」「前の子はやらせてくれたのに」「やらせてくれなければもう二度と指名しない」などと言われ、泣く泣く本番を許してしまう風俗嬢も少なくありません。
しかし、ソープでは本番行為が前提となっています。
そのため、「本番をさせてくれ」という要求が起こらないのです。
だからこそ、本番本番と言われることもなく、ラクに働くことができます。
このことも、彼女が本番アリのお店を選ぶ大きな理由となっています。
まとめ
上記のように、あえてソープを選ぶ風俗嬢には、単にお金が稼ぎやすいだけではなく、色々な理由があったのです。
確かに、たくさん稼げるというのは重要な動機になることでしょう。
彼女が働いていたころは、風俗嬢の平均的な収入が今の倍ほどもあった時代ですが、彼女は出勤すれば一日で20万円弱も稼いでいました。
しかし、彼女のように色々なメリットを感じてソープランドで働いている風俗嬢は、たとえヘルスとソープの稼ぎに大きな差がなかったとしても、ソープランドを選ぶことでしょう。
それほど、色々なメリットがある働き方なのです。