風俗嬢として働くことの最大のデメリットは、何といっても性病に感染リスクがあることです。
粘膜同士を接触させないソフトサービスのお店ならば、性病リスクはかなり低いのですが、通常の風俗店で行われる性的サービスの内容を考えると、どうしても性病リスクが伴います。
しかし、性病の正しい知識を身に着けている風俗嬢は少ないのが事実です。
性病リスクが高い職業でありながら、リスクに無理解であることは避けるべきです。
そこで本稿では、性病の中でも感染頻度が高いとされるコンジローマについて解説していきます。
コンジローマの概要
風俗嬢の皆さんは、「コンジローマ」という名称を聞いたことがあるともいます。
正式名称は「尖圭(せんけい)コンジローマ」といいます。
感染・発症の際には小さなイボイボがたくさんできるため、尖圭という名前が付けられています。
コンジローマは性病の一種ですが、多くの場合はそれほど深刻な作用をもたらすわけではありません。
そのため、性病ではなく病変であるともいわれることもあります。
コンジローマは、他の性病と同じように粘膜に感染します。
具体的には口の中、性器の中、肛門といった部位です。
感染するとイボイボができるのですが、そのイボが痒い、痛いなどと感じることは少なく、オリモノが出るケースはしばしば見られます。
ただし、肛門周辺にコンジローマを発症した場合には、痒みを伴うことが多いです。
コンジローマの感染率を見てみると、男性ならば20~39歳くらいまでの感染率が高く、女性は20~29歳あたりの感染率が高くなっています。
特に多いのは20代前半の女性であり、この年代は男女ともに感染率が高いので、性病には十分に気を付ける必要があるでしょう。
感染経路を詳しく知る
コンジローマの原因となるウイルスは、「HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)」です。
これは良性のものと悪性のものとがあり、HPVの仲間は100種類以上もいます。
その中でも良性のものは自然治癒してしまうことも多いのですが、悪性のものになると子宮頸がんのリスクを高めてしまいます。
コンジローマに感染すると、短ければ1ヶ月以内、平均では2~3ヶ月、長ければ8ヶ月程度の潜伏期間を経て、発症することになります。
潜伏期間が長いため、その間に不特定多数の異性とセックスをしており、感染源が分からないということがよくあります。
風俗嬢として働いていればなおさらのことです。
良性のものに感染して発症し、自然治癒したと思っていた場合でも、それは表面的な治癒に過ぎず、悪性のものが潜み続けて子宮頸がんにつながることがあります。
したがって、コンジローマに感染してしまった場合には、自然治癒の可能性もあるからといって放置するのではなく、すぐに病院に行って検査を受けることが大切です。
感染経路
性風俗におけるコンジローマの感染経路は、主にフェラチオ、クンニ、そしてセックス、アナルセックスです。
フェラチオ
多くの風俗店では、フェラチオが基本プレイに含まれています。
そして、ゴムフェラをすることは少ないです。
このため、男性器と口内の粘膜同士が接触することになり、感染のリスクがあるのです。
クンニ
お客さんの口内にコンジローマが感染していることがあります。
その口内と風俗嬢の膣とで粘膜同士の接触があれば、コンジローマに感染する可能性があります。
しかし、コンジローマのブツブツが口内の目立たない位置にあれば判断が難しいですし、それらしきものを見つけても口内炎の可能性もありますから、よくわからないままに移されてしまうことも多いです。
セックス
非本番系風俗でも裏オプションで本番をすることがあるかもしれませんし、ソープランドでは本番が前提となります。
コンジローマがあるにせよ、ないにせよ、あらゆる性病への感染リスクと妊娠リスクを避けるために、必ずコンドームを利用してください。
同様に、粘膜同士を接触させることから、素股の場合にもコンドームを着けるようにしましょう。
アナルセックス
本番は禁止でもアナルセックスはOKという風俗店は多いです。
この場合も、コンジローマを含むすべての性病感染リスクを避けるために、コンドームを必ず利用してください。
感染を避けるために
感染を避けるためには、コンジローマの疑いがある男性器にはフェラチオをしない、膣やアナルに触れさせないなどの対策が重要となります。
コンジローマの特徴は、ブツブツ・イボイボがあること、それのブツブツ・イボイボが不規則に密集して表れており、明らかに性病っぽい見た目であること、赤色や茶色などの色をしていることなどが挙げられます。
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注意したいのは、性病ではないものの類似した特徴を持っているお客さんに対して、性病を疑ってしまうことです。
性病と勘違いすることは大変失礼であるため、そのようなことがないように注意してください。
類似した症状としては、フォアダイスというものが知られています。
フォアダイスは、性病ではなく単なる生理現象です。
医学的にはニキビに似た症状だと考えられています。
しかしながら、白色のプツプツができること、カリ周辺に出ることなどから、コンジローマと勘違いしてしまうこともあるのです。
男性の20%はフォアダイスが出ると言われており、お客さんの中にもフォアダイスの人は多いと思います。
しかし、コンジローマはブツブツが不規則に表れるのに対し、フォアダイスはカリ周辺に規則的に表れるという特徴があるため、何度か見れば間違えることはないと思います。
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コンジローマの治療
病院で検査を受けてコンジローマに感染していることが分かれば、治療に取り組んでいきます。
治療方法には、塗り薬による治療と外科治療の二通りがあります。
塗り薬
塗り薬はベルセナクリームという薬を用います。
この薬は世界中で使われている治療薬であり、塗り続けるうちにHPVに対する免疫が形成され、2ヶ月以上塗り続けることで完治します。
治療にかかる費用は1ヶ月当たり6000円程度です。
治療期間が長期にわたることは、風俗嬢にとっては大きな痛手となります。
固定給をもらっていない風俗嬢は、出勤して接客しない限り給料は発生せず、しかも性病が発覚すると出勤させてもらえません。
これは、お客さんに性病を移してしまうと、お店の信用を傷つけることになるからです。
外科治療
早く治したい場合には、外科治療を行います。
ただし、外科治療と言っても麻酔をかけて、執刀医とたくさんの助手で手術をするといった大掛かりなものではなく、非常に簡単な治療です。
方法には三種類あり、
- 液体窒素でイボを凍結させて取り除く
- 電気メスでイボを焼き切る
- レーザー光線によってイボを除去する
の三通りの方法があります。
治療費は5000~15000円程度です。
外科治療はそれぞれの方法で、相応の痛みを伴います。
芸人の有吉弘行はコンジローマによって陰部に大きなイボができ、それを液体窒素による凍結で除去したと言いますが、本人曰く心の中で「ギャーーー!!!」と叫ぶほどの痛みであるとのことでした。
さらに、その後陰部がズボンに圧迫されること、パンツとこすれることなどによっても激しい痛みを伴い、しばらく苦労したというエピソードがあります。
コンジローマの程度にもよるでしょうが、外科治療によって早期に治療したとしても、激しく痛む状態では満足なサービスが難しいでしょう。
このため、数日の休養は必要と考えられます。
なお、コンジローマは再発しやすいことでも知られており、いずれの治療においても、3~4ヶ月以内に、20~30%の確率で再発します。
このため、外科治療を受けても完治するまでは出勤しないこと、塗り薬で治療するならば完治したと思ってもしばらく塗り続けることなど、丹念な治療が求められることと思います。
まとめ
風俗嬢は性病リスクの高い仕事であり、自分の体は自分で守らなければなりません。
したがって、性病の知識を正しく身に着け、お客さんの性病を見分ける目を養い、またリスクを下げるためのプレイも実践を通して学んでいきましょう。
きちんと学び、対処すれば、性病リスクは確実に下げることができるのです。